国の文化審議会は24日、国指定史跡の小田原城跡に「百姓曲輪(くるわ)」と「総構二重外帳(とばり)」を史跡範囲に追加指定するよう答申した。 

 ともに豊臣秀吉の来攻に備えた戦国期小田原城の総構に関係した遺跡。同城跡の14回目の史跡指定で新たに1600平方メートルを加えて計30万5千平方メートルとなる。

 総構の内側にある百姓曲輪の詳しい由来は不明だが、一説には戦の時に領民を避難させたともいわれる。2016年に曲輪の一部約6300平方メートルが史跡指定され、今回は新たに民有地約1200平方メートルが指定されることになった。市文化財課は「小田原城では珍しい竪堀で江戸時代末期の絵図に示された土塁と堀が良好な形で残っている」と説明する。

 二重外帳は総構の出入り口に当たる。すでに宅地開発で堀は埋められた状態だが、民有地約400平方メートルを追加指定することになった。