1人暮らしをしているお年寄りの力になりたい−。神戸の小学6年生コンビ「カジムラヒナキ」が、プログラミングの知識を生かしてユニークなロボットを制作した。その名も、かめ型ロボ「おかめさん」。卒業前の今年3月、兵庫代表として出場した「全国選抜小学生プログラミング大会」で高い評価を得たという。表彰式を終えて凱旋(がいせん)した「カジヒナ」の2人に、おかめさんを見せてもらった。(森下陽介)


 2人は兵庫区・明親小出身の梶田伊吹君=須佐野中1年=と東灘区・住吉小出身の村田陽生君=住吉中1年。小学校入学前からJR住吉駅前にあるプログラミングスクールで学んできた。コンビを組み、独自のプログラミングでロボットやアプリの出来栄えを競う同大会(全国新聞社事業協議会主催)に挑んだ。

 大会テーマは「みんなのみらい」。2人は、さらに少子高齢化が進み、独居の高齢者が増える−という未来を思い描き、役に立つロボ作りを始めた。昨年7月から構想を練り、2カ月間をかけて考案したのが、2機の小型ロボット「おかめさん」だった。

 2人のアイデアを詰め込んだ自信作。小型犬ほどの大きさで、甲羅部分は緑色のレゴブロックを用い、移動用にタイヤを備える。プログラミングソフトを使ってロボットへの細かな指示も考えた。例えば、1人暮らしの高齢者が自宅で倒れたら、前方のセンサーで周囲の障害物などを認識しながら薬を自動で持ってきてくれる。

 気になるのが、かめ型にした理由。その一つが水陸両用で活躍させるためだ。2人は「水難事故の現場でも2機で連携して救助し、病院まで運んでくれる」と夢を膨らませる。

 おかめさんは県大会で最優秀賞を獲得し、全国大会でも「みんなのみらい賞」に輝いた。

 「自分の思い通りにばっちり動いたときがうれしい」と梶田君。村田君も「将来は大きなサイズで現実化できたらいいな」と笑顔を見せた。