政府は防衛強化の一環として有事に備えた整備や訓練を行う「特定利用空港」に長崎空港と福江空港を4月1日に指定しました。

住民生活に影響するおそれがあるなどとして、市民団体などが県に対し国の指定を外すよう求めることなどを要請しました。

長崎県平和運動センター 米村 豊 議長
「平時から軍事訓練が実施されることにより、有事の際に相手国から軍事空港とみられ、攻撃の対象となり空港ばかりではなく、周辺住民が危険にさらされます」

県平和運動センターと社民党の県議など7人が県庁を訪れ、県内の空港を「特定利用空港」から除外するよう、県が国に求めることなどを要請しました。

「特定利用空港・港湾」に指定された空港や港では自衛隊や海上保安庁が有事に備えた訓練などができるようになります。

全国16の空港と港が対象で、県内では長崎空港と福江空港が指定されています。

要請ではどのような理由で県内の空港が選ばれたのかや、民間機の運航にどの程度影響があるのかなどを回答するよう求めています。

制度には、有事の際に多くの住民が避難できるよう、滑走路の延伸といった施設の整備も盛り込まれています。

2つの空港には国から「公共インフラ整備費」の名目で22億円が交付され、県は改修工事などに充てることにしています。

県土木部港湾課 松本伸彦 課長
「国から聞いているところ、防衛を目的とした施設整備が前提、基本的には民生利用を主とした整備と。その中でニーズや効果を確かめたうえで施設整備するということになっている」

3月行われた国の説明に対して、空港がある大村市と五島市からは異論がなかったということです。

県平和運動センター 平野忠司 事務局長
「国が言えばああそうですかと言わざるを得ない。それでいいのか、県の姿勢として。結局、住民を犠牲にした訓練が行われる。そういうことも含めてもう少し詳しいことを聞きたい」

県によりますと、今回の指定により自衛隊のヘリコプターの離着陸訓練などが、年に数回行われるということです。

県は準備が整い次第、きょうの要請や質問に答えるとしています。