5月4日(土)午後1時からのカンテレ『ウラマヨ!』では「ウラマヨ!百景 苦労やお金 絶景の裏側」と題して、訪れた人が心打たれる絶景を裏で支えている地元の人々の思いを取材。その中から京都府向日市の「竹の径」について一足先にご紹介します。

 京都を代表する観光地・嵐山。ここにある人気の絶景スポットが2015年に整備された「竹林の小径」です。野宮神社と大河内山荘庭園を結ぶ約400mの絶景を中心に数々のグルメ店や土産店が軒を連ね、1日に10万人以上もの観光客が訪れます。

 その嵐山から10km程離れた向日市内にあるのが、この竹林の小径そっくりな絶景スポット「竹の径」。南北に連なる全長約1.8kmの竹林道で、観光客は1日100人程と嵐山よりも人が少なく、のんびり楽しめる穴場スポットです。

 見事な出来栄えの8種類の竹垣が並び、京都府景観資産などに選定されているほか、写真に他のお客さんが映らないことやランニングができることなどもポイント。また嵐山とは違って車で通ることもでき、数々のCM撮影などでも使用されています。

 竹の径が出来たのは2000年。かつては整備が行き届いておらず不法投棄が多かったそうで、「綺麗に整備すればゴミが減るのでは」という作戦が大当たり。不法投棄は今ではほとんど見られなくなったそうです。

 ただ、この竹の径には“ある問題”がありました。「素晴らしい場所なんですけど、実はお金を使う所が何もないんですね」そう嘆くのは、向日市の安田守市長。それもそのはず、嵐山がある京都市の1人当たりの観光消費額が約2万3000円なのに対して、向日市は約170円と、ジュース1本分ぐらいのお金しか使っていない計算となるのです(出典:産業観光局観光MICE推進室と京都府観光室観光企画係の資料から算出)。

 周辺には名産の「たけのこ」を使ったグルメの店も多くありますが、全て隣の長岡京市内。竹林を見た後は、隣接する街に観光客が流れてしまっているのが向日市の現状だったのです。

 市長は大きな要因として市内に宿泊施設が1軒もないことを挙げ、「実は向日市って三方を京都市の西京区、南区、伏見区に囲まれてるんです。なので別に向日市に泊まらんでも、そちらに泊まれてしまうんです」と京都市からのアクセスが良すぎる点を指摘。

 それを聞いたMCのブラックマヨネーズ吉田さんは「でも、そやったら逆に今は京都市内がホテル取りにくいでしょうから、『こんな近いんやったら、向日市に泊まろう』となるかも」と、京都市を訪れる観光客の宿泊先として打ち出していくことを提案しましたが、ここで市長から決定的な一言が飛び出しました。

 「向日市は非常に狭くてホテルを建てる場所がないんですね。そして今残ってる土地はほとんど『市街化調整区域』と言って、家などが建てられないんです…」実は竹の径のあるエリアもそれに該当し、宿泊施設どころか飲食店を作るのも原則不可能。これが、絶景スポットがあるにもかかわらず向日市に観光客のお金が落ちない最大の理由でした。

 一方で、市長からは「道路の占有許可はいりますけど、キッチンカーは大丈夫です」とのアイデアが。「なので竹の径に沢山の方に来ていただいて『それならそこで、たけのこの天ぷらとビールのキッチンカーやったろか!』と思ってくださる方がいれば」と続け、我こそはという出店者の登場に期待を寄せていました。

 また、番組ではほかにも東京ドーム約90個分の茶畑があり“茶源郷”と呼ばれる絶景が広がる街・京都府和束町を紹介。何もなかった町を観光地へと変貌させた仕掛け人である、1人の茶農家の思いに迫ります。次回の『ウラマヨ!』は、関西テレビで5月4日(土)午後1時からです。

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