歌舞伎俳優の尾上右近さんが「四谷怪談」の“お岩”を演じるにあたり、東京・四谷の陽運寺で、厄除けの安全祈願を行った。
尾上右近さんは、博多座開場二十五周年記念「六月博多座大歌舞伎」の夜の部に上演される通し狂言「東海道四谷怪談」で自身初となる“お岩”役に挑む。
演劇界では「四谷怪談」を上演する際は祟りが無いように、お参りすることが習わしとなっていることから、尾上右近さんも“お岩”を祀る「陽運寺」で厄除けを兼ねた舞台の安全祈願を関係者と共に行った。
お寺での安全祈願を終えた尾上右近さんは「『四谷怪談』を上演すると何かあるからと言われて…僕の気持としては、舞台の安全をお願いすると同時に、“お岩さま”を自分の身を通じて演じることで観客に喜んでもらえることが“お岩さま”にも喜んで頂けることにきっと繋がるんじゃないかって思っています。だから、奉納というか、供養というか、鎮魂というか、そういうつもりで演じたいなという気持ちをあらためて強く持ちました」と語った。
 また、怨霊となって男性を呪う“お岩”を演じることから、「実生活で女性に祟られるようないか!?」と、記者から質問が飛ぶと「祟られるようなことはしていないと思いますよ。そういう経験もしていないので、わりと健全だと思います」と神妙な表情できっぱりと答えた。