菊陽町は11日までに、町内の交通渋滞に関する実態調査の結果をまとめた。台湾積体電路製造(TSMC)が進出した工業団地周辺などの一部で前年調査時より渋滞が悪化したが、全体的には緩和傾向だった。町は「企業の時差出勤や通勤バス増便の効果」とみている。

 4月22、23日の朝と夕方、町内の主要交差点20カ所で町職員延べ51人が渋滞の長さを15分ごとに測り、平均値を算出した。

 その結果、前年より渋滞が緩和されたのは、朝は12カ所、夕方は15カ所。工業団地のセミコンテクノパークがある町東部は、朝に9カ所中6カ所、夕方は10カ所中9カ所で減少した。

 一方、悪化したのは朝は6カ所、夕方は5カ所。住宅街が多い町西部は、朝夕ともに7カ所中4カ所で増加。TSMC工場前へ通じる県道大津植木線では、朝の渋滞の長さが平均1057メートルと前年の5倍に増えていた。

 町建設課は「大津植木線の渋滞は、企業立地が進む大津町や菊池市方面へ向かう工事車両の増加が主な要因」と推測。「引き続き、国や県と連携して道路整備をはじめとする対策を進めたい」と説明した。(草野太一)