2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊として関東から倉敷に移住してきて感じるのは、「自分の生まれ育った地域を盛り上げたい」と活動する人が多いこと。

私は家族が転勤族だったこともあり、どこかに定住した経験がありません。そのため、自分の生まれ育った地域を愛し、より良くしたいと活動する姿に憧れの気持ちがあります。

汗ばむようなあたたかさになった4月半ば、楯築(たてつき)遺跡のある倉敷市庄地区で「人種や性別、障がいの有無にかかわらずこの地域に住んで良かったと思ってもらいたい」という願いのもと、ハーモニーマルシェが開催されました。

音楽が奏でられるなか、倉敷市や早島町で子ども食堂の活動や福祉活動に積極的に取り組む出店者たちが集った当日のようすを紹介します。

「ハーモニーマルシェ」とは

2024年4月14日(日)倉敷市庄地区にある庄新町4号公園グラウンドにて、第2回ハーモニーマルシェが開催されました。

マルシェの発起人であるレストランArmoníaをはじめ庄地区の人たちと、Armoníaに集う音楽家たち、そして倉敷市や早島町で子ども食堂の活動や福祉活動に積極的に取り組む出店者たちが集う半日です。

出店者の詳細は、以下の画像を確認してください。

画像提供:矢尾みどり
画像提供:矢尾みどり

音楽が響き合ったマルシェ

ハーモニーマルシェのオープニングを飾ったのは、早島のダンススクールMaLOU DANCE CREWのみなさんです。子どもたちのかわいらしいダンスに会場中に笑みがこぼれます。

MaLOU DANCE CREW のダンス
MaLOU DANCE CREW のダンス

その後も、以下の順番でマルシェの間中ずっと途切れることなく音楽が流れ続けました。

  • 声楽家保坂江利子さんの力強い声楽の披露
  • デュオバンドAREANA T8さんの心地よい演奏
  • 個性的なPESMIさんのパフォーマンス
  • 樋口利歌さんのヴァイオリン演奏
保坂江利子さんの声楽
保坂江利子さんの声楽
デュオバンドAREANA T8
デュオバンドAREANA T8
PESMIさんのパフォーマンス
PESMIさんのパフォーマンス
樋口利歌さんのヴァイオリン演奏
樋口利歌さんのヴァイオリン演奏

印象的だったのは、どのパフォーマーも楽しそうに笑顔でステージに立っていたことです。

パフォーマーの笑顔につられて会場の人たちも音楽に合わせて身体を動かしたり歌を口ずさんだりと、それぞれに楽しんでいました。

手話で歌おう
手話で歌おう

私も「手話で歌おう」プログラムで監修をつとめた手話歌「まあるいいのち」をステージ上で披露しました。

ステージの上だけでなく、グラウンドにいた出店者やお客さんも一緒に手を動かして歌ってくれて、うれしかったです。

体験型のマルシェ

マルシェというと「見る」「購入する」といったイメージがありましたが、ハーモニーマルシェは「体験する」マルシェでした。

山地青年団の綿菓子
山地青年団の綿菓子

今回の出店者は、子ども食堂の活動や福祉活動に積極的に取り組む出店者たちが集うマルシェなので、収益がどのように使われるかを明示している出店者も分かります。

すまいるしょっぷ

子どもや福祉に関わる活動に興味はあるけれども、どんな行動をしたらよいか分からない人もいるのではないでしょうか。

子ども食堂寄付箱

ハーモニーマルシェでは、普段の子ども食堂で提供しているカレーを実際に食べてみて子ども食堂の取り組みを味覚で知り、食べたお金が子ども食堂の運営資金の寄付になるので、ボランティアのはじめの一歩にもぴったりなマルシェでした。

子ども食堂で提供されているカレー
子ども食堂で提供しているカレー

他にも、マッサージの施術コーナーがあったり上述した手話歌を会場のみんなで歌えたりと、参加者も一緒になってハーモニーを奏でられる工夫がありました。

マッサージのようす

地区の人々や出店者が協力して作り上げたマルシェ

昨年(2023年)開催された第1回ハーモニーマルシェは、レストランArmoníaの店先で開催された小さなマルシェでしたが、今回は庄新町4号公園のグラウンドでの開催。

庄新町4号公園は普段、夏休みのラジオ体操など地域の人たちが集うスペースで、今回のように町外の出店者が集うマルシェを開催するのは初めての試みなのだとか。

そのため、会場には町内会長をはじめとした町内の人たちの姿もありました。

くらしき心ほっとサポーター
山地青年団はドリンク販売もしていました
山地青年団はドリンク販売もしていました

また、音楽ステージのパフォーマーや出店者だけでなく、ステージの設営や音響の操作、駐車場の整備、音楽ステージへの手拍子……多くのボランティアがマルシェを支えていました。

みなさんが口をそろえて「ずっとこの地区で育ってきた仲間のマルシェだから」と言いながら笑みを浮かべます。「地元愛」を体感できるマルシェでした。

おわりに

地元を愛する人と、その思いに共感する人たちがハーモニーを奏でた第2回ハーモニーマルシェ。

会場の熱気が天に伝わったかのような、あたたかい汗ばむ一日となりました。

ハーモニーマルシェ

これからも、地域の人たちが自分たちの地元のために盛り上げるイベントとして続いていってほしい取り組みです。

著者:高石真梨子