千葉市の国道357号の蘇我エリアは、千葉市中心部の南側にあって渋滞が慢性化しています。ここを6車線に拡幅する事業が進められています。最終的にどんな道路になり、話はどこまで進んでいるのでしょうか。

千葉市南部の「大混雑」臨海地帯

 千葉市の国道357号の蘇我エリアは、千葉市中心部の南側にあって交通集中が激しく、渋滞が慢性化しています。
 
 ここを6車線に拡幅する事業が進められています。最終的にどんな道路になり、話はどこまで進んでいるのでしょうか。

 都心方面から千葉県内まで、東京湾臨海部をぐるっと回り込むように走る国道357号。千葉駅周辺あたりまでは千葉地区の改良事業で片側3車線が確保されているものの、そこから南は片側2車線に減ります。おまけに主要交差点にアンダーパスや高架も無く、長い信号待ちが連続して、激しい渋滞を招いています。

 朝夕は移動速度が20〜23km/hまで落ち、渋滞の中ノロノロ進む状況です。特にひどいのが蘇我駅周辺や、貨物線をまたぐ蘇我陸橋です。駅前では交通容量の1.8倍もの交通量になり、明らかにキャパが足りてないことが判明しています。そのせいで、4年間で284件の交通事故が発生し、そのうち178件が追突でした。

 沿線には臨海工業地帯となっていて大型車両も含め交通が集中するなか、周辺の高速道路が直結していないため、国道357号はもっとも重要な輸送路線となっています。しかしこの渋滞に巻き込まれ、輸送に時間が読めないという課題もあります。

 そこで、この蘇我エリアの約5.0kmの6車線化が、2017年に事業化されました。2020年に詳細設計が行われ、2022年には「都市計画事業認定」が下り、土地収用法の規定にもとづく用地取得が可能となりました。

 気になる進捗ですが、その用地取得が現在のメインです。現地では道路西側に拡幅用の更地が確保されている風景も見られますが、まだ工事にとりかかる段階には至っていません。

 沿線自治体である千葉市は、毎年「着実な事業推進を図ること」と国へ要望をおこなっています。念願の事業化から7年目。今年度は3億円の予算が割り当てられ、着工めざして準備が整えられていきます。