パリオリンピックのレスリングに出場する、高知市出身の清岡幸大郎(きよおか・こうたろう)選手。練習でのストイックさや、私生活での意外な一面、さらに、亡き父への思いなど、密着取材で素顔に迫りました。
4月、キルギスで行われた、レスリングのパリオリンピック・アジア予選。高知市出身の清岡幸大郎選手が、男子65kg級の準決勝で勝利し、オリンピック出場を決めました!
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高知県勢では、女子の櫻井つぐみ選手に続く初の快挙で、“夢舞台”での活躍が期待されます!オリンピックが日に日に近づく中、このほど、清岡選手の練習がメディアに公開されました。
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■清岡幸大郎選手
「先日、世界最終予選が行われて、オリンピックの自分の階級に出場する選手が決まって、日を追うごとに(五輪が)近づいていくにつれて、実感もどんどん湧いてきて、『五輪に向けて頑張っていかなきゃな』と感じています」
23歳の清岡選手は、社会人1年目。この春日本体育大学を卒業し、現在は、兵庫県の「三恵海運」に所属しています。住んでいるのは神奈川県で、母校・日体大が練習拠点。北京オリンピック銀メダルの湯元健一コーチのもと、トレーニングに励んでいます。
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■清岡幸大郎選手
「ひたすらスパーリング(実戦練習)をして、後輩に技術指導をしたり、逆に後輩の技術を見ていいところがあれば盗んだり、いろんな部分で勉強しながら練習させていただいています」
強豪選手が集まる日体大のレスリング場は、清岡選手にとって絶好の“鍛錬の場”。この日も、後輩との実戦練習に熱が入ります。相手は、“全日本王者”ですが…
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清岡選手の持ち味は、「スピード」と「スタミナ」。この場面も、相手の一瞬の隙を突いて攻撃を仕掛け、「持久力」で抑え込み続けて主導権を渡しませんでした。
■日体大レスリング部 田南部魁星(たなべ・かいせい)主将
「(テレビで)さらされたわ…恥ずかしい…。おととい、きのうぐらいの(対戦)を出してほしいな…」
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■日体大レスリング部 田南部魁星 主将
(Q.やっぱり、強いですか?)
「めちゃめちゃ強いですね、やっぱり。何をやっても完璧な人間なんで、レスリングぐらいは勝ちたいなと思うんですけど、レスリングも強いので、ズルいですよね(笑)」
練習の合間には、後輩へ積極的にアドバイス。
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■清岡幸大郎選手
「常に戦わなくてもいいから、プレッシャーをかけるタイミングだけ、ここに『圧をかける』。…っていうのができるようになれば、もっと『怖さ』とか『圧』を相手は感じる。技を仕掛けにいかなくていいから、『組み手』のところで『プレッシャー』をかけるのがもう少しできるようになれば、もっと良くなる」
マットの中でも、外でも、“頼れる先輩”は大きな存在です。
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夕方からの練習が終わり、帰宅したのは、午後8時半。
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清岡選手は、大学近くのマンションで、同じ「三恵海運」所属の高橋夢大(たかはし・ゆうだい)選手とルームシェアをしています。
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■清岡幸大郎選手
「(高橋選手とは)一緒に食べることもあるんですけど、練習が終わる時間が別だったりするので、けっこう各自で食べることが多いです」
大学時代は寮生活でしたが、いま、食事は“自炊”です。
■清岡幸大郎選手
「(学生時代は)学生食堂で(食事を)出していただいていたんですけど、練習が終わって『疲れた』ってなっている時に、ご飯がちゃんとできている状態でいただける、っていうのは、今になって、やっぱりありがたみを感じますね」
それでも、手際よく料理していく清岡選手。実はこんな一面も・・・。
■清岡幸大郎選手
「もともと好きだったので、料理するのは。『好きなものを食える』って考えたら、いいところもあるのかなって。自分の摂りたい栄養を、自分で考えて。その栄養も、好きな料理にして食べられるっていうのは、良いですね」
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疲れた中でのこの時間も、清岡選手にとっては“充実したひととき”。よく作るのは好きな中華料理だそうでこの日のメニューも、肉野菜炒めとチャーハンです。
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■高橋夢大選手
(Q.試合後のインタビュー対応について)
「(清岡)幸大郎は人前が好きなので、堂々としていてかっこいいですね。僕はもう、こう、小っちゃくなって、何喋ってるかわかんない感じなんで…。普通に私服も“バチイケ”で…」
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大学時代の同級生同士、気心知れた仲ですが、オリンピックの話になると、“アスリートの本音”も。
■高橋夢大選手
「(本人には)言いづらいですけど、『悔しい』が一番ですね。同級生で、一緒に、同じ『オリンピック』っていう目標を掲げてやってきて…。今はすごく悔しいんですけど、僕は4年後(ロス五輪)に切り替えて頑張っています」
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■清岡幸大郎選手
「絶対そうだと思いますね、僕が逆の立場でもそうですし、一番身近なところで言うと、それこそ櫻井つぐみが先に(五輪出場を)決めて、めっちゃ悔しくて…」
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高校時代の同級生、櫻井つぐみ選手のオリンピック壮行会。この時、出席した清岡選手はまだオリンピック出場を決めておらず、密かに悔しさを滲ませていました。
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■清岡幸大郎選手
「トップレベルの選手って、全員そうなんだと思います。どれだけ身近で、普段すごく仲良い人でも、同じ・高い目標を持っている以上は、『先に達成されてしまった、自分ができていないのに』という状況になると、すごく悔しくなると思います」
悔しさをバネに掴み取ったパリへの切符。それは、海外まで応援に来てくれる母・えりかさんや、おととし12月に病気で亡くなった父・義雅(よしまさ)さん(享年47)に捧げるものでもあります。
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■清岡幸大郎選手
「『自分が好きでやっていることを、母も好きでいてくれること』が、何より一番嬉しいと思います。父に関しては、亡くなってしまう前に僕が海外での試合で戦っている姿を見せることができなかったので…」
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「常に近くで見守ってくれているとは思っているので、パリにも付いてきてもらって、1人で戦っているんじゃなくて、マットの上に一緒に立っているくらいの気持ちで。一緒に『一番高い景色』を見せることができたらいいなと思っています」
「本当にたくさんの思いを背負って、自分としても、応援を力に変えることができるので、期待を全て背負ってパリの舞台で戦っていきたいと思います」
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