三菱商事が2日発表した2024年3月期連結決算は、純利益が前期比18.4%減の9640億円だった。製鉄用原料炭などの市況価格の下落が響き、節目の1兆円を割り込んだ。

 外国為替市場の歴史的な円安は、同社の純利益を700億円押し上げる効果があったが、中西勝也社長は東京都内で記者会見し「(日本の)国力が弱くなる側面がある」と指摘した。海外企業の買収にかかる金額が円換算すると割高になるため、海外投資に慎重な企業が増えるといったデメリットを理由に挙げた。

 25年3月期の連結純利益は1.5%減の9500億円と見込んだ。液化天然ガス(LNG)の市況悪化などが響くとしている。