2011年の東日本大震災で被災した岩手県山田町で、「復興さくらの丘」の桜が見頃を迎えている。町の犠牲者数に合わせたという、824本の桜が津波到達地点から高台に続く。植樹した地元の園芸農家藤原聖児さん(44)らが「目印に逃げてほしい」との思いを込めた。

 震災前に町にあった桜はほとんどが津波で流失。震災後、国内外からの寄付で寄せられた苗木を13年から地元住民らが植え続け、17年に今の本数になった。

 暖かかった15日、シダレザクラやエドヒガンザクラの淡いピンク色が青空に映え、黄色いスイセンも咲いていた。藤原さんは「一本一本がきれいな花を咲かせるよう、手入れしたい」と話した。