多度大社(三重県桑名市)の「上げ馬神事」は、今年から大幅に様式を変更した。新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりに行われた昨年5月、負傷した馬1頭を安楽死させたことを機に「神事をやめるべきだ」との批判が殺到。大社側は「世間の理解を得られる形への変革は不可欠」と表明し、時代に合った神事の在り方を模索してきた。

 大社側では昨年10月から、馬術の専門家や獣医師らで構成する第三者委員会で、対策を検討した。坂の頂上にある高さ2mの土壁を越えた回数で農作物の豊凶などを占う行事として開催されてきたが、馬をたたいたり威嚇したりして興奮させる行為がなくならない要因となっており、撤去は不可欠と結論付けた。