自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件で、5年間で計1289万円の不記載があったとして処分を受けた菅家一郎衆院議員(衆院比例東北ブロック)が、代表を務めていた党支部などに不記載分を全額寄付し、税の一部が控除されていたことが27日、分かった。

 菅家氏は同日、衆院議員会館で記者会見。税控除は法にのっとっていて合法だったとしたが、「誤解を与える要素がないわけではない」と話した。控除額の詳細は税理士に任せていて不明とし、事務所の運営経費に充てたと説明。裏金事件発覚後の今年1月に控除分を全額国庫に返納したとしている。議員辞職や離党は否定した。

 菅家氏が当時代表だった「自民党福島県第4選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、2021年2〜9月に計4回に分けて、計約1201万円を同支部に寄付したと記載。裏金事件発覚後に、寄付の一部を訂正し、「清和政策研究会(安倍派)」の寄付が21年に574万円、20年に104万円あったとした。

 菅家氏は4月、裏金事件を巡り、党役職停止6カ月の処分を受けている。