おいしく食べるコツは加熱しすぎないこと

 季節を問わず手に入り、低価格でボリュームたっぷりの「もやし」。食品の価格が高騰してる今、大変ありがたい食材ですよね。

 もやしを調理する際のポイントは、長時間の加熱をしないこと。炒める場合は短時間×強火で、ゆでる場合は水からゆでるとシャキシャキとした食感が残りやすく、沸騰したお湯でゆでるとやわらかく仕上がりますが栄養の損失は少なく済みます。

▲もやしの風味と栄養を損ねないよう、サッと火を通すのがコツ。

 また、ゆで上がったらザルに上げて湯を切り、菜箸などで広げて冷ますのが◎。水にさらすと、水っぽくなり歯ざわりも悪くなります。

買ったその日に食べ切るか水につけて冷蔵保存を

 もやしは水分が多いため、痛みやすいデメリットがあります。根が少し黒ずんできたら、おしく食べられる限界サイン。風味を損なわないためにも、できるだけ買ったその日に使い切るのがおすすめです。もやしを水につけた状態で冷蔵保存すれば、数日の延命保存が可能ですが(水は毎日交換してください)、カリウムやビタミンなど水溶性の栄養素の残存率は下がります。

▲1本1本の“ひげ根”を取るのは面倒ですが、この“ひと手間”でもやしの食感が際立ちますよ。

衛生面・おいしさ重視なら “ひげ根”は取るのがおすすめ

 なお、もやしの根元からひょろりと伸びる長い“ひげ根”について、取る派・取らない派に意見が分かれるところ。食物繊維などの栄養面を考えると“ひげ根”を取り除かない方が良いのですが、“ひげ根”には雑菌が残りやすいマイナス面も。

 また、“ひげ根”を取り除いてから調理すると仕上がりの食感が格段によくなります。買ったその日に使い切るのであれば取り除かなくても問題ないと思いますが、衛生面×おいしさを優先し、筆者は「ひげ根を取る」を推したいと思います。

※参考文献:沼津りえ著『食材保存大全』主婦の友社,2020、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

(野村ゆき)