【オトナは知らない若者文化】「渋谷系」「ストリート系」もう言わない？　今どき《ファッション用語》ご存じですか

5/3(金) 20:40

　「ノームコアが再燃中！」「バービーコアのキーワードはピンク！」などなど。ファッション系の記事などで、この「〇〇コア」という言葉をよく目にするようになりました。コア（core）は芯、中心部、核といった意味の単語ですが、ファッション分野の用語としてはどのような意味で使われているのでしょうか。

「○○系」「○○風」の代替ワード

　ファッション用語として使われるコアは「〇〇系」という意味。「〇〇ルック」や「〇〇スタイル」や「〇〇風」のようなニュアンスです。

　少し前までは「ストリート系」や「アメカジ風」などと表現され、コアという言葉が使われることはほとんどありませんでした。いつ頃出現した言葉かというと、最初に使われたのは、「ノームコア」だと言われています。

　NormalとHardcoreを合わせた造語で、意味は「究極の普通」、つまりシンプルやベーシックを極めたファッションのことです。2024年現在、ブーム再燃中なので耳にすることも多いかもしれませんが、実は10年ほど前に誕生した言葉なのです。

　日本マーケティング協会によると「ノームコア」という言葉は2013〜2014年頃、アメリカ・ニューヨークで生まれ、その後日本でも使われるようになりました。Googleトレンドでも2014年4月から注目度の上昇が見られ、再ブーム中の現在はまた右肩上がりが続く状態になっています。

ノームコアだけじゃない、増え続ける「○○コア」

　冒頭で触れた通り、「〇〇コア」という表現は「ノームコア」だけにとどまりません。ここ数年で誕生した「〇〇コア」は少なくとも20以上はあると見られます。以下、Googleトレンドを使って過去1年間で多く検索されたキーワード6つを紹介します。あなたはいくつ知っていますか？

・ノームコア
　シンプルで奇をてらわないベーシックなスタイル。故スティーブ・ジョブズ氏のタートル、デニム、スニーカーなどがアイコンスタイル。

・バレエコア
　バレリーナのファッションにインスパイアされたスタイルです。レッグウォーマーとバレエシューズの組み合わせや、チュールスカート、レースやサテンなど、バレリーナが着ているようなアイテムを取り入れるのが特徴です。

・ゴープコア
「Good Old Raisins and Peanuts」（＝トレイルミックス）の頭文字GORP（ゴープ）。トレイルミックスとは、アウトドアや登山の際に手軽に栄養素をエネルギーをチャージできる行動食のこと。つまりゴープコアとは、ナイロンパーカーやカーゴパンツなど、アウトドアの要素を取り入れたファッションのことです。

　人気のアウトドアブランドである「Patagonia」「THE NORTH FACE」「Columbia」などは、日常的に使っている人も多いのでは？

・ブロークコア
　イギリス英語のスラングで「奴・野郎」を意味する「Bloke」が由来。ユニフォームとジーンズといった、80〜90年代のイギリスのサッカー好きな青年のようにスポーツアイテムを取り入れたファッションを指します。ジャージやトラックジャケット、ハーフジップなどを使って簡単にスポーツMIXスタイルが完成するので、カジュアル派はチャレンジしやすいはずです。

2024年最注目の「○○コア」は何か？

・ブロケットコア
　ブロークコアの進化系がブロケットコア。「Bloke」に、ロマンティックでガーリーなスタイルを意味する「Coquette（コケット）」を合わせたのが「ブロケット」です。スポーツアイテムにプリーツスカートやレーススカート、フリルやリボンなどのガーリーなアイテムを合わせたスタイルで、Z世代を中心に人気となっています。

・ビジネスコア
「オフィスコア」とも呼ばれます。白シャツやジャケット、スーツ、タイ、ペンシルスカートなど、オフィスで着る仕事着からインスパイアされたファッションです。サイズやカラーリングで遊んだり、抜け感をプラスして“ザ・仕事着”にならないようスタイリングするのがポイントです。