放送開始前に触れてみるのもおすすめ

 2024年夏に放送を開始するアニメには、マンガやライトノベル以外に、ゲーム、演劇作品などさまざまなものを原作とする作品があります。まだまだ放送まで時間がある今だからこそ、原作となる作品に触れて期待値を高めるのも良いでしょう。

●『天穂(てんすい)のサクナヒメ』(ゲーム)

 2024年7月6日よりテレビ東京系列で放送開始されるアニメ『天穂のサクナヒメ』は、2020年に発売された和風のアクションRPGが原作です。

 原作のゲームでは、ダンジョン探索と同時に主人公「サクナヒメ」のステータス向上のために稲作を行うパートが特徴となっています。稲作の表現が本格的だったことから、農林水産省のホームページが攻略サイトの役割を果たしたり、あまりの人気ぶりに売り切れが続出したことから「令和の米騒動」と称されたりと、大きな注目を浴びた作品です。

 すでにゲームをプレイした人からは、「食事シーンもあるだろうから深夜の飯テロアニメになりそう」「予告PVで終盤の展開まで入ってたから、ストーリーもしっかり描いてくれそうで楽しみ」「アニメ放送前にもう一回プレイする」と、アニメ版への期待の声も多数出ています。

 アニメーション制作は美麗な背景美術にも定評のあるP.A.WORKSが手がけており、自然あふれるヒノエ島を舞台に、四季折々の風景が楽しめるのも魅力となりそうです。

●『小市民シリーズ』(ミステリー小説)

 2012年に京都アニメーションが制作し、話題となった『氷菓』(『シリーズ』)を手がけた本格ミステリー作家、米澤穂信先生の代表作のひとつ『』も、2024年夏にアニメが放送されます。

 本作は過去に苦い経験をしたことから、目立たない「小市民」を目指そうとする主人公、「小鳩常悟朗」(こばと じょうごろう)と、ヒロインの「小山内(おさない)ゆき」が、さまざまな日常の謎に巻き込まれていくストーリーです。高校1年の1学期を描いた『春期限定いちごタルト事件』、高校2年の夏休みを描いた『夏期限定トロピカルパフェ事件』を原作とすることが発表されており、「学生時代に読んでから好きなシリーズなので、アニメ化がすごくうれしい」「ヒットしてあわよくば続きもアニメ化してほしい」といった、喜びの声も聞かれます。

『小市民シリーズ』は2024年7月よりテレビ朝日系列で放送予定です。

●『デリコズ・ナーサリー』(演劇作品)

 壮麗な世界観で、吸血種と人間種が矯正しながらも反目するストーリーを描く人気オリジナル演劇作品「TRUMP」シリーズの最新作である『デリコズ・ナーサリー』も、2024年夏の放送を控えています。既存のシリーズ作品と同じく、劇作家の末満健一さんが原作やシリーズ構成、脚本を担当する本作は、シリーズのファンから「絶対に好きなやつ」「ハマったら過去シリーズもぜひ観てほしい」と期待の声が相次いでいます。

 また、メインキャラクターの4人の当主を演じる声優も、森田成一さん、小西克幸さん、下野紘さん、佐藤拓也さんと非常に豪華であることも、放送前から期待されている要因となっているようです。

『デリコズ・ナーサリー』は、吸血種貴族であるデリコ家、フラ家、ロルカ家、クラシコ家の当主4人が、連続殺人事件を解明するという任務と、我が子の育児に奮闘するストーリーです。慣れない育児に振り回されるコメディ要素と、殺人事件を追うサスペンス、ミステリー要素が美麗なキャラクターデザインや荘厳な音楽で楽しめるのは、他の作品にはない大きな特徴といえるでしょう。

 なお、「TRUMP」シリーズの15周年を記念して、5月17日から過去作品が映画館で限定上映されています。事前に過去作に触れておけば、より世界観にハマることができるかもしれません。

『デリコズ・ナーサリー』は、2024年7月よりTOKYO MX系列で放送を予定しています。