あなたはパートナーと家計について話し合っていますか? 必要だと思っても、お金の話題になると話しにくい方もいるのではないでしょうか。家計再生コンサルタントとして、2万6000件以上もの家計相談を受けてきた横山光昭氏の著書『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』には、そんな状態の家計を改善するノウハウが詰まっています。自分に合った家計改善方法は何か、日常を振り返りながらチェックしていきましょう。
※本記事は横山光昭著の書籍『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)から一部抜粋・編集しました。

お金が貯まらない夫婦に共通する「言ってはいけない」口グセ
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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)


お金が貯まる夫婦になるには、どうしたらいいでしょう? そのためには、逆に、お金が貯まらない夫婦の言動に注目してみるのもひとつの方法です。2万6000件を超える家計相談をしてきたからこそ見えてきた、貯まらない夫婦に共通する口グセとは?

「定価で買うのは損」という発想がダメな理由
お金が貯まらない夫婦は、似たような口グセがあります。
共働きで収入が多かったとしても、その口グセや言い方をする夫婦はお金が貯まりません。以下、その典型例を紹介しましょう。
1.「コンビニで(定価の)ジュースを買うのはやめなよ!」
飲み物やお菓子など、相手のこまごまとした出費のムダを指摘し、数十円の節約をするように迫る......。家計相談をしている最中に、パートナーに対して、こうした指摘をし始める人がいます。たしかに一理ある主張のように思えます。
しかし、パートナーの細かい出費を指摘する夫婦はたいがい、お金が貯まりません。
その指摘は、本当に貯金ができない問題を解決するためではなく、"相手を責めたてて"自分を正当化するためのケースが多いからです。
言われたパートナーの方もその意図を感じ取りますから、素直に聞き入れようとしません。
「そっちだってムダな出費をしているじゃない?」と反撃し始めることも。そのうちケンカになり、お金を貯める話し合いは一切なく終わる、というパターンです。

2.「私のほうが生活費を多く払っている。そっちは少ししか払っていないじゃないか」
こちらは、共働きの夫婦にありがちな会話。
夫婦間で財布を別々にしていると、「自分のほうが多く払っている」ことで言い合いになりがちです。
それなら、現在の収入と支出を洗い出して、出費を分ければすむ話ですが、なぜか文句を言っている人もその提案はしません。
きちんと分けると、自由に使えるお金が減る可能性があるからです。
このような「自分のほうが多く払っている」というセリフが出るときも、多くの場合は相手を責めることで、自分を正当化しようとしているだけ。前向きな話をしようとしているわけではないのです。
3.「お金がないから、旅行ができない」
「お金がないから、○○できない」とグチを吐く人がいます。
夫婦の場合は、どちらかではなく、2人揃って言うことが多いと感じます。
しかし、そういう口グセがある夫婦は、お金が貯まりにくいといえます。「お金がないと何もできない」と自分自身に言い聞かせているだけで、貯める工夫を放棄しているからです。
それに対し、お金が貯まる夫婦は「お金がないから、別のことをしよう」と言います。
すると、「お金がないから(旅行ではなく)テントを買って、デイキャンプをしよう」というように、アイデアを出して楽しむようになります。こういうタイプは、出費についても工夫できるので、結果的にお金が貯まる仕組みを作っていくことができるのです。
4.「1年間で100万円貯めなくてはいけない」
例えば「100万円貯めなくてはいけない」という口グセがある人も、お金が貯まりにくい傾向があります。一見、ストイックのようですが、途中で挫折する人が多い印象です。
おそらく、自分で自分を勝手に追い込むあまり、日々の節約がイヤになってしまうのでしょう。
お金が貯まる人はムリのない範囲で貯金に取り組みます。
だから息切れすることなく、お金が貯まるのです。以上のような口グセや物言いを続けていると、いつまで経ってもお金が貯まりません。
心当たりがある人は、今日からでも直しましょう!


横山光昭
家計再生コンサルタント・ファイナンシャルプランナー・株式会社マイエフピー代表取締役/1971年、北海道生まれ。1999年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。2001年、札幌で横山エフピー事務所を開業。2008年、株式会社マイエフピー設立。2009年には「年収200万円からの貯金生活宣言」を出版し、ベストセラーに。 2013年、拠点を東京都へ移す。お金の使い方そのものを改善する独自の家計プログラムで、問題の抜本的な解決や確実な再生を目指し、個別相談・指導には高い評価を得ている。これまでの相談件数は、2万6000件を突破。著書は181冊、累計発行部数は397万部。テレビやラジオなどの出演も多数。