鹿児島県教育委員会は、志布志市の小中一貫型教育校・伊崎田学園内に新設する特別支援学校について、2028年4月に開校する整備計画を14日の定例会で明らかにした。本年度中に基本設計に着手し、26年度に着工する見込み。

 計画によると、新設校には小学部から高等部までを置く。対象は同市のほか、旧財部町を除く曽於市、大崎町に住む知的障害、肢体不自由の児童生徒。開校時は80〜90人で18〜22学級を想定する。30年度以降は少子化で減るが、45年度でも50〜60人で11〜14学級程度を見込んでいる。

 校内には普通教室や個別指導教室をはじめ、清掃実習室や地域住民と交流できる喫茶実習室を設ける。医療的ケア室や日常機能訓練室のほか、パニック状態になった子どもが心を落ち着かせる小部屋なども設置する予定だという。

 学園には、こども園も隣接する。志布志市の福田裕生教育長は「インクルーシブ教育のモデル校区となるよう、県と連携していきたい」と意欲を見せた。

 志布志市教育委員会によると今後、伊崎田学園内の小、中学校を集約。いずれか空いた方の施設を新設校に活用する。土地と建物は、県に無償譲渡する可能性を含め協議中という。市教委の担当者は「小中学校の保護者や地域に理解を得られるよう説明していきたい」としている。

 対象の2市1町からは23年5月時点で、児童生徒91人が牧之原(霧島市)、鹿屋(鹿屋市)の両特別支援学校に通学。長時間通学と教室不足が課題となっており、塩田康一知事が2月の県議会で、志布志市に新設する意向を表明していた。