「旧河澄家に咲く季節の花々の歌 『万葉の花写真展』」が5月22日、東大阪市指定文化財「旧河澄家」(東大阪市日下町7、TEL 072-984-1640)で始まった。(東大阪経済新聞)

 万葉集の歌に詠まれた植物の写真と解説パネルを展示

 華道家で「万葉の花」研究家の片岡寧豊(ねいほう)さんが万葉集に登場する植物と歌を紹介する同展。片岡さんは華道家として国際コンクールで多数の受賞経歴を持ち、著書には「やまと花万葉」(東方出版)、「万葉の花-四季の花々と歌に親しむ」(青幻舎)などがある。

 会場では、片岡さんが撮影した万葉集の歌に詠まれた花や木の写真と、その植物が登場する歌、万葉集での花の名前、解説文のパネル31点を展示。併せて、奈良県で活動する「奈良花写真の会」の会員が奈良や京都で撮影した万葉の花の写真パネル28点を展示する。クチノマとシモダイドコには、旧河澄家の庭に植えられているナンバンギセルやシラン、バイモなどのパネルを展示する。

 旧河澄家の庭には50種の植物が植えられており、そのうち25種が万葉集に登場する。同館では「旧河澄家の自然と万葉集にうたわれた花たち」というタイトルの花地図を作製し、来館者に配布している。

 5月26日は片岡さんを講師に招き、庭を散策しながら植物の解説をする「万葉の花講座」を開く。対象は中学生以上。開催時間は13時30分〜15時。参加無料。参加申し込みは電話と同館のウェブサイトで受け付ける。

 同館スタッフの珠久真里子さんは「これからアジサイの季節。花地図を持って、写真を撮りながら庭を散策してほしい。旧河澄家の自然に咲く季節の花々を通じて万葉人の心に触れていただければ」と呼びかける。

 開館時間は9時30分〜16時30分。月曜休館。6月5日まで。