ニューヨーク在住の日本人アーティスト西川裕子さんの個展「Mossy Mossy(モシモシ)」が現在、北杜の複合アート施設「GASBON METABOLISM(ガスボン・メタボリズム)」(北杜市明野町浅尾新田)で開催されている。(甲府経済新聞)

 北杜の複合アート施設「ガスボンメタボリズム」

 西川さんは20年以上、米ニューヨークで生活し活動を続け、さまざまな素材を用いて空間を構成するアーティスト。近年の作品では、紙とパルプ、数種類のスチールワイヤを使い、ミニマルなオブジェクトが多数浮遊する空間を構成している。一昨年、昨年と同施設周辺に滞在してリサーチを行い、今回、新作の展示を行うことになったという。

 展示タイトル「Mossy Mossy」は、リサーチ滞在時に同施設で見つけたコケという生物の生命力と構造への関心から想起されたもの。同展は、西川さんが積極的に取り組むモビール作品として組み上げ、空間インスタレーションとして展開。「鑑賞者の動きが作品に反応をもたらし、干渉し合う無数のオブジェクトのバランス構造は、単なる視覚的体験だけでなく気配を意識させる作品」になっているという。立体作品とドローイングを展示する。

 広報担当の揚妻のはらさんは「当展は(西川さんが)昨年末に当施設に滞在した際、そこで見つけたコケに着想を得て制作した一連の作品がメイン。数日間にわたる搬入作業を終え、自然光の柔らかい日差しが拡散している会場内で、モビールがゆったりと風で揺れ動く様子を見て感動した。今回は作品の持つ繊細な表情を見せるため、あえて照明は用いず、窓からの光で鑑賞してもらう。会場でしか味わうことのできない体験を、ぜひ感じてほしい」と話す。

 開場は、金曜〜月曜の11時〜17時(5月1日・2日は開場)。入場無料。5月27日まで。