京丹後の丹後緑風高校久美浜学舎(京丹後市久美浜町)で4月22日、壁画プロジェクトの「壁画披露式」が行われた。壁画は同校の卒業生で久美浜町在住のアーティスト、210artworks(ツーテンアートワークス)が体育館の壁面に制作した。(京丹後経済新聞)

 壁画は体育館の壁面に描かれた。目の前には自転車置き場があり、毎日目にする場所となった

 同校は「結ぶ」「究める」「創り出す」をテーマに、地元の特色・課題を題材に探究心を育む教育を目指し、生徒のやりたいことを応援する校風。壁画プロジェクトはそうした校風を背景に、教師とアーティストがチームとなり実現したという。

きっかけは210artworksの小國克弥さんが、農業校舎に壁画を描かせてほしいと提案したこと。「資金面や学校に描いていいのかなど、いろいろな制約はあったが、できない理由より、できる方法を考えたいと思った」と話すのは、担当した高尾学舎長と探究・広報部長を務める小西鉄也教諭。昨年9月にプロジェクトを立ち上げ、協議を重ねた。壁画制作の資金は同校の同窓会が大半を負担したという。

 壁画のコンセプトは「Seed in you」で、直訳すると「あなたの中にある種」。小國さんは「自分の魅力や才能は、もしかしたら自分一人じゃ気づかないかもしれない。先生や友達と対話や経験をする中で自分の魅力に気づいてもらえたら」と話す。

制作に当たって、自身の高校時代を振り返ったという。「高校のとき、絵が好きだったことを表に出せなかった。当時聴いていた音楽に救われ、こんな自分でもいいんだと思えた。同じように自分の絵が誰かの救いになってほしい」と小國さん。

 生徒会長は「壁画から元気をもらえる。新しい伝統となるよう守っていきたい。この壁画のように自分も将来、花を咲かせられるように頑張りたい」と話す。