クルマには必ず積んでおかなければいけないものがある。

ないと不便なだけでなく「違反」扱いになることもあるため注意が必要だ。

「知らず知らずのうちに違反行為をして罰則を科された」では済まされない。

この機に、しっかりとチェックしてほしい。

■クルマに積んでおかないと違反になるもの

クルマにに積んでおかないと「違反になる」ものは以下4つだ。

● 運転免許証
● 車検証・検査標章
● 自動車損害賠償責任保険証明書
● 初心者運転標識

それぞれ携帯していないと何が起きるのか、詳しく解説するので運転する機会がある人は確認しておこう。ほかにも、携帯していないと高速道路で困ることがある「発煙筒」や「三角表示板」についても解説する。

●運転免許証

免許不携帯で取り締まられた場合、実は違反点数の加点はない。ただし、反則金3,000円を支払わなくてはいけないので、交通反則告知書(いわゆる「青キップ」)と仮納付書を受け取って8日以内に銀行か郵便局に行こう。

なお、免許の更新を忘れていて失効した状態で免許不携帯が発覚した場合、無免許運転として扱われる。この場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるので要注意だ。

●車検証・検査標章

車検証・検査標章が不携帯=車の中になかった場合、道路交通法109条9項違反として50万円以下の罰金が科される。車検証は必要がなければ車のダッシュボードに入れておく、を基本にして欲しい。検査標章はシールになっているので、一度貼っておけば忘れることは考えにくいだろう。

●自動車損害賠償責任保険証明書

自動車損害賠償責任保険証明書の不携帯も30万円以下の罰金が科される。万が一紛失してしまった場合はすぐに再発行を依頼し、手元に届くまでは車を使わないようにしよう。

●初心者運転標識・高齢者運転標識など

初心者運転標識・高齢者運転標識とはいわゆる「若葉マーク」「シルバマーク」のことだ。「若葉マーク」に関しては、免許所有歴1年未満の人が表示しなくてはならず、怠ると反則金4,000円、行政処分点数1点の罰則が科されるので気を付けて欲しい。

「シルバーマーク」に関しては罰則はないが、70歳以上であれば表示するのが望ましいとされている。自分だけでなく、条件に当てはまる家族が運転をする予定があるなら、すぐに貼れるように車内に置いておくのをおすすめする。

→違反ではないが、ないと高速道路で困るものは…?

●発炎筒

発炎筒に関しては、携帯していなくても特に道路交通法上は罰則は課されない。ただし、整備不良として扱われ、整備命令書が発行される場合もある。この場合は15日以内に車内に備え付ける必要があるので、普段から置いておくに越したことはないだろう。

●三角表示板(高速道路)

三角表示板は携帯していないからといって罰則が科されるわけではないが、高速道路を走っていて事故や故障で動かなくなった場合はその場所に設置する必要がある。

これを怠ると「故障車両表示義務違反」となり反則金と違反点数の罰則が科されるため、やはりトランクに入れておくのが無難だ。

■まだまだある!意外と知らない道路交通法違反の行為

意外と知らない道路交通法違反の行為について見ていこう。

●サンダルで運転

実は、サンダルやハイヒールでの運転は道路交通法違反となる。これは、道路交通法に、車のアクセルやブレーキ操作を確実に操作することが明記されているからだ。具体的にどのような靴が違反になるかは、都道府県によって異なる。例えば埼玉県の場合、以下の履物がNGとされているので、参考にしてほしい。

● 下駄
● 木製サンダル・スリッパ
● ハイヒール
● その他運転操作に支障を及ぼすおそれがあるもの

●後部座席のシートベルト未着用

最近では助手席に座った人のシートベルト着用は定着したが、忘れがちなのが後部座席でのシートベルトの着用だ。一般道であっても、後部座席でのシートベルトの着用が必要なので注意したい。

●スマホを操作しながらの運転

スマホを操作しながらの運転はNGである。これは多くの人が認識しているだろう。操作だけでなく、運転中に手に持つこともNGだ。

また、注意したいのが、ナビやモニターなどを操作しながらの運転だ。実は、ナビであっても、操作しながら運転することは道路交通法違反になる。一時停止して操作するか、同乗者がいればその人に頼むことをおすすめする。

●緊急車両へ道を譲らない行為

救急車や消防車などの緊急車両が近づいてきたら、道を譲る必要がある。よくあるのが、音量を大きくして音楽を聴いていたために、サイレンに気づかないことだ。音楽を聴くときは、サイレンが聞こえる音量にしておこう。

●爆音で音楽を聴きながらのドライブ

「好きな曲をかけてドライブをするのが好き」という人もいるかもしれないが、あまりに大きな音で音楽をかけるのは止めておこう。前述した通り、サイレンに気付かないなど、周囲の異変に気付かなかったことが原因でトラブルになることもある。イヤホンを使うのもNGだ。ただし、難聴で補聴器を使っている場合はこの限りではない。

■車の運転には責任を持って

車を運転するということは、大きな責任を伴う行為だ。一歩間違えれば、人の命さえ奪ってしまう危険性すらある。日常的に車を運転する場合は責任感が希薄になりがちなので、改めて違反行為をとっていないか確認してみよう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。