映画『バジーノイズ』(5月3日公開)特別前夜祭が5月2日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、本作が映画初主演となったJO1の川西拓実、桜田ひより、井之脇海、柳俊太郎、風間太樹監督が上映後に舞台挨拶を行った。

本作は、PCで奏でる音楽だけが趣味でシンプルな生活を送る孤独な青年、清澄(川西拓実)と、彼の部屋に窓ガラスを割って入ってきた少女、潮(桜田ひより)の出会いから始まる物語。彼らは潮の幼なじみでレコード会社に勤める航太郎(井之脇海)、航太郎が担当するバンド「マザーズデイ」のベーシスト、陸(柳俊太郎)を巻き込み、「AZUR」というバンドを誕生させることになる。

客席からの「『バジーノイズ』公開おめでとうー!」とのお祝いの声に「うれしいですね」と喜ぶ川西。撮影は1年前だったそうで「自分のなかで本当に大切な作品になっています。すごく成長できた作品です。皆さん響くもの、得るものを持って帰ってほしいなと思います」と呼びかけた。

本作の宣伝に大忙しだった桜田は「いま、振り返るとあっという間だったと思います」と笑顔を見せ、「(撮影時の)昨年の夏は濃い一日一日を過ごしていました。ひとつの形になってお届けできるドキドキと、舞台挨拶へのワクワクもあったので、上映後の皆さんの表情を見ることができて、改めてすばらしい作品をみんなで作ったんだなと思いました」と充実の表情を浮かべた。

井之脇は、「遠足の前の日、テストの前の日は1人でワクワクするもの。(今日の前夜祭は)皆さんの顔を見ながらのワクワクなので、すごく幸せです」とニッコリ。撮影を振り返り、「キャスト、スタッフが毎日同じ釜の飯を食べ、(本作のテーマである音楽という)同じ振動を浴びて現場にいたので、同じ空気が流れている人が日に日に増えていきました」と制作陣の絆に触れ、作品を通じて「同じ音を聴いて、感じ取ってもらえたら」と、観客に本作に込めた思いが伝わるようにと期待を込めていた。

どんな反応があるのか、楽しみでもあり緊張もすると話した柳は「1つの“音”をみんなで頑張って作ったので、大丈夫じゃないかなという自信があります」と胸を張り、大きな拍手を浴びる場面も。前日までは緊張がなかったという風間監督も「いざ、ここに立つと緊張します」と恐縮しながらも、「自分たちの日常に紐づくような作品になればいいなと思って作ったので、まずは観ていただきたい。そして、観ていただいた方、ありがとうございます」と上映後の観客に感謝していた。

イベントでは「私の人生を変えた出会い」についてフリップで発表するコーナーも。「デニム」と答えた川西は「ふらっと入ったお店で上下のデニムに一目惚れして。基本的に毎日着ています」とお気に入りの洋服との出会いを明かし、「洋服がどのように作られたのか、どういう歴史があるのか意識がいくようになりました。それからは洋服を買うときには歴史を調べてから買うようになりました」とニコニコ。洋服以外にも歴史を知りたくなるものが多いとし、「意外とちゃんとしてる?」と自身の回答にご満悦といった様子だった。

「骨折」と答えた柳は「回答、ミスったかも」と苦笑い。学生時代バレーボール部だった柳はケガで左足の骨を複雑骨折。ショックで失神してしまうほどだったという。「家にいると暇だから、映画とか音楽とかいろいろ観たり聴いたりするようになって。それがきっかけでメンズノンノのモデルになりました」と自身の人生に影響を与えた出来事だったと説明。続けて「怪我とかって、次につながるとすら思わないけれど、怪我なんて怖くないぜ!と言いたいです」とつらい出来事もポジティブに捉えて前に進めたと話すと会場は大きな拍手に包まれた。

イベント最後には原作者のむつき潤からキャスト、風間監督への手紙が代読された。「本当にうれしいです」と感激の川西は「自分とも重なるものがあって、僕のなかで大切な存在になったなと。これから活動していくうえでも(演じた清澄が)心のなかで生き続けると思います」と本作との出会いが特別なものだったと話し、笑顔でイベントを締めくくった。

※柳俊太郎の「柳」は木へんに夘が正式表記

取材・文/タナカシノブ