能登半島地震では、高齢者の災害関連死、孤独死をこれ以上、増やさないことが大きな課題となっています。見守りが必要な高齢者がいるのは仮設住宅だけではありません。自宅に戻って生活している男性を取材しました。
石川県能登町当目で暮らす八田義三さん。
地震で自宅は半壊し、妻と2人で金沢市の避難所やみなし仮設住宅などに身を寄せていましたが、3月になって、1人で自宅に戻りました。
八田義三さん「帰ってきたらここらじゅう水浸しで、畳も衣類もなんもない全部だめになってしまって濡れてカビ生えてね」
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能登町の社会福祉協議会らが作るささえあいセンターの職員が、八田さんを訪ねてきました。5月から75歳以上の高齢者がいる世帯を回っています。
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八田さんの生活スペースは玄関から近い1部屋のみ、食事は3食、自分で作っています。
八田義三さん「私1人でもなんでも自分の好きなことをしてますからストレスはなんも溜まりません。」
すでに運転免許を返納している八田さん。買い物は家族や友人の送り迎えが頼みの綱ですが、それでも自宅に留まることを選びました。
八田義三さん「地震あったらみんなうち開いてしまったがいね避難所もあるし仮設住宅もできたけど、私そんなとこ行くのが好かん。都合いい悪いはとにかく、自分の家にいたい」
生まれ、育ち、80年以上を過ごしてきた我が家。
八田さん「家が無ければそりゃあれですけど、自分の家ありますから自分の家で死にたい。まだまだ死なれんとは思うけど」
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能登町ささえあいセンター 中玲子さん「お元気に見えてもなにがあるか分からないし、八田さんのように足が弱いと転んだり起き上がられなくなるのでそういう時に助けてあげられる人がそばに居ればいいと思うんですけど…」
仮設住宅という整えられた環境と、それでも自宅に残りたい住民の希望の間で、支援者は複雑な思いを抱えています。
能登町ささえあいセンター 中玲子さん「輪島は仮設住宅にいても亡くなった方とかいたので、仮設がいいという訳ではないと思う。ご覧の通り点在した家ばかりなので近くても気づかないかもしれないけど皆さん周りの人にお願いするしかないかな」
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奥能登でこれから先、どう高齢者を守るか。とても悩ましい課題です。