能登半島地震の被災地でも、春の訪れとともに新しい生活が始まりました。

被害が大きかった石川・能登町の小学校では、今も避難所にもなっている体育館で5日、親といっしょにピカピカのランドセルを背負った新1年生が入学式に臨みました。

在校生や保護者、被災者に見守られながら入場する新1年生。

能登町松波小学校の入学式は、校舎が被災しているため会場は今も住民が避難生活を続ける近くの中学校の体育館で行われました。

会場の中学校の体育館には避難生活を送る人も式を見守る


新たに入学した6人の新1年生は、これから始まる学校生活に胸を弾ませていました。被災地で学ぶ新1年生に宮本秀人校長はこう語りかけます。

松波小学校・宮本秀人校長は被災地の新入生にある「お願い」を


松波小学校・宮本秀人校長「お願いしたいことが3つあります。一つ目は、あいさつをしっかりしようということです。二つ目は、自分のことは自分でするということです。最後に、三つ目は自分の命は自分で守るということです」

式では在校生から新入生に歓迎の言葉が贈られたほか、心のこもった歌も披露されました。

中学校の体育館で避難生活を送る人たちも児童をお祝いします。

入学式を見届けた被災者「しっかり返事していた。かわいらしかった」

新入生・武藤愛絆さん「(小学校でどんなことをやってみたい?)野球。大谷より強くなりたい。勉強より野球の方が頑張りたい」
新入生・大澤あやなさん「国語。カタカナの勉強(をがんばりたい)」

元日の地震発生から3か月余りが経つ中、被災地では子どもたちがそれぞれ、困難と向き合いながらも新生活を始めました。

5日は、能登町や珠洲市、志賀町など5つの市と町の32の小中学校などで入学式が行われました。