石川県珠洲市周辺では、およそ3年にわたって群発地震が続いていて、地下深くにある水のような流体が原因ではないかと研究者の間で指摘されていて、富山大学などの研究グループは24日、珠洲市周辺で採取した温泉水にこの流体の成分が含まれていたと発表しました。

石川県珠洲市周辺で2020年12月ごろから続いていた群発地震は、地下深くから上昇してきた水のような流体が原因とされていて、2024年1月の能登半島地震でも流体が海底活断層に影響を与え、地震を引き起こしたとする説が有力視されています。

富山大学や金沢大学などの研究グループは、珠洲市周辺で2022年から定期的に温泉水を採取し、中に含まれる化学成分の変動を測定する研究を行っていました。温泉水からは、地球内部のマントルに含まれるヘリウムの成分が多く検出され、群発地震の原因となった流体が温泉水に混入した可能性があることが分かりました。

富山大学の鹿児島渉悟特命助教は「流体の成分が徐々に上がってきていることが初めて分かった。このデータを役立てて、地下で起こっている現象を解析したい」と話しました。

富山大学・鹿児島渉悟特命助教

2024年1月の地震の前後には、温泉水に含まれる成分が大きく変化したことも分かっていて、研究グループは地震前後のデータを比較し、地下でどのような現象が発生したか解明したいとしています。