歴史的なマッチアップとなった。昨年の朝日杯FSを制したジャンタルマンタル(牡3、栗東・高野友和厩舎)と、阪神JF覇者のアスコリピチェーノ(牝3、美浦・黒岩陽一厩舎)が、NHKマイルカップ(3歳牡牝・GI・芝1600m)で激突する。2歳王者と2歳女王が3歳マイル王決定戦で直接対決するのは史上初となる。

 先に参戦を表明したのはアスコリピチェーノだった。昨夏から新馬、新潟2歳S、阪神JFと無傷の3連勝。ホープフルSを制したレガレイラを抑え、2歳女王の座に就いた。その後は桜花賞に直行。惜しくもステレンボッシュに敗れたものの、渋太く2着を確保。改めて力を示す内容ではあった。その後は距離適性を考慮し、オークスではなく、NHKマイルCを選択。このレースと好相性のダイワメジャー産駒だけに期待が高まる。

 一方のジャンタルマンタルは昨秋から新馬、デイリー杯2歳S、朝日杯FSとデビュー3連勝を果たし、2歳王者の座に就いた。年が明けて共同通信杯でジャスティンミラノの押し切りを許し、初黒星の2着。続く前走の皐月賞でもジャスティンミラノから0秒1差の3着に敗れたが、締まった流れを早め先頭の強気な競馬だったので、評価が下がる内容ではなかった。レース経験を重ね、徐々に折り合い面に課題が出てきたので、マイルへの距離短縮は確実にプラスだ。

 これまでのNHKマイルCにおいて、朝日杯FSの覇者は[2-2-1-4]、阪神JFの勝ち馬は[1-1-0-0]だから、ともに上々の成績を残している。さぁ、今年はどんな結末が待っているのか。願わくは2頭ともにGI馬らしい走りで、名勝負を演じてほしい。

【阪神JF覇者のNHKマイルC成績】カッコ内は人気
・16年1着メジャーエンブレム(1)
・20年2着レシステンシア(2)

【朝日杯FSのNHKマイルC成績】カッコ内は人気
・97年13着マイネルマックス(3)
・04年2着コスモサンビーム(4)
・06年6着フサイチリシャール(1)
・08年12着ゴスホークケン(4)
・11年1着グランプリボス(1)
・12年2着アルフレード(3)
・19年1着アドマイヤマーズ(2)
・21年3着グレナディアガーズ(1)
・23年12着ドルチェモア(4)