東京競馬場で5月26日(日)に行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。目前に迫る競馬の祭典で、今年生まれる可能性がある“史上初”の記録とは。本稿では福島勝ち上がり馬のダービー初戴冠について深堀りする。

 グレード制が導入された84年以降、日本ダービーを制した馬が「初勝利を挙げた競馬場」を調べてみると、多いほうから京都が10頭、阪神が7頭、東京と函館が5頭ずつ、中京が4頭、新潟が3頭、小倉と中山が2頭ずつ、札幌が1頭。JRA全10場の中で、福島で勝ち上がった馬だけ戴冠例が無い。なお、「福島デビュー」のくくりでも、89年ウィナーズサークルのみだ。

 今年出走する馬の中で、福島デビュー&勝ち上がったのはエコロヴァルツ(牡3、栗東・牧浦充徳厩舎)ただ一頭。昨年7月に同競馬場の芝1800m戦でデビューを迎え、1.3/4馬身差で快勝すると、続くコスモス賞を6馬身差で圧勝する。暮れの朝日杯FSでは、向正面でスムーズさを欠く場面がありながら、4角17番手から鋭く追い込んで2着。世代上位の実力を示した。

 年明けからは共同通信杯5着、皐月賞7着と、あと一歩の競馬が続いているものの、前走も上がり最速タイの33.9秒の末脚を見せていた。展開がハマれば一発あっても驚けない。福島デビュー馬では35年ぶり、福島勝ち上がりではグレード制導入以降で史上初となる戴冠目指して、大舞台にチャレンジする。