竹中工務店は直交集成板(CLT)を天井面に使った三つの床工法を開発した。いずれもCLTとコンクリートスラブ(鉄筋コンクリート造の床)の組み合わせで構成。梁(はり)の少ない開放感のある空間を実現できるほか、施工性の向上や工期短縮にもつながる。今後も中高層木造技術を通じて、木造建築・木質建築の普及と国産木材の活用を推進する。

同社は鉄筋コンクリート造や鉄骨造の架構の一部に木をあらわしで使用した設計技術体系「KiPLUS」シリーズを開発・展開してきた。従来の「壁」「柱・梁」に続く今回の床シリーズの完成により、建物を構成する主な要素「柱・梁・壁・床」を全てラインアップに組み込んだ。

新開発の3工法のうち、「KiPLUS DECK」はCLTとデッキ合成スラブを組み合わせた。小梁やデッキの板厚を削減し、資材量を減らして環境負荷を低減できる。

また「KiPLUS SPANCRETE」はプレキャストコンクリートスラブの下にCLTを接合し、床の変形や・振動を抑制。CLTと現場打ちスラブを組み合わせた「KiPLUS SLAB」は仮設を簡易化でき、ローコスト化を実現する。