かつてはその名の通り「特別な急行」の風格があった特急列車。だが、近年は特急といっても「特別」な感じはなくなり、JRでは特急と普通の2種類の列車しかない線区も多い。中には有人駅はすべて停車しているのではないかと思わせるような特急もある。

「普段使い」を意識して細かく停車するようになっているといえるが、停車駅が少なく速達性を誇り、特急らしい「品格」を示す列車は今どの程度あるのだろうか。かつての「特別」だった特急のように、とにかく停まらずに終着駅を目指す「特急らしい」長距離ノンストップ特急を紹介したい。

「長距離無停車」はやはり新幹線

現在、長距離を高速で走る列車といえば新幹線である。停車しない区間が最も長いのは東海道新幹線の「のぞみ」で、新横浜―名古屋間の337.2kmをノンストップで走る。所要時間は1時間15〜25分程度だ。次いで長いのが東北新幹線は「はやぶさ」の大宮―仙台間321.5kmで、所要時間は約1時間8分。3番目は上越新幹線「とき」の大宮―新潟間303.6kmで、約1時間7分だ。

そのほかの新幹線も見てみると、無停車の距離順では山陽新幹線の「のぞみ」広島―小倉間213.5km、北陸新幹線「かがやき」大宮―長野間192.1km、九州新幹線「みずほ」熊本―鹿児島中央間170.5km、北海道新幹線「はやぶさ」新青森―新函館北斗間148.8kmとなる。