北海道で4人の“夫人”たちと事実婚というかたちを取り、日本の法律では認められていない“一夫多妻”の共同生活を実践している渡部竜太さん(36歳)。
「今一緒に住んでいる子どもは2人ですが、僕の子どもは全員で9人います。徳川家斉を超えたい、子どもは合計54人欲しい!」

 徳川家斉は江戸幕府の11代将軍で、53人の子どもがいたといわれている。そのため、渡部さんは54人の子供を作り、徳川家斉を超えるのが目標なのだとか。

 今回はそんなスケールの大きな目標を持った渡部さんの具体的な生活ぶりについて聞いてみた。

◆“一夫多妻”の生活ぶりは?

 SNSで炎上することも珍しくない渡部一家だが、まず気になったのが、夜になって寝るときはどうするのか。“第1夫人”が陽咲さん、“第2夫人”が彩花さん、“第3夫人”の千晴さん、“第4夫人”が千尋さん(※取材時は「家出中」とのことだった)。

 4人の夫人に対して、夫は1人しかいないのである。

「最初は川の字で寝ていましたが、寝返りができないので、今は1人1部屋にしています。みんなの部屋にローテーションで僕が行くって感じです」

 渡部さんには第4夫人までいるが、あくまで平等に接するのが「仲良く生活する秘訣」だという。

「家事や育児に関しても僕が掃除、陽咲さんが料理、千晴さんが洗濯、彩花さんが子供の面倒を見る……といったように役割分担が決まってます。あとは何か気がついたら各自やっています」

 ご近所付き合いに関しても「今のところは問題ない」と話す。

「まだ知られていないのか特にリアクションはないです。『超やベー家族』みたいに後ろ指をさされたりはないですね(笑)。知っていたとしても直接言える人はいないんでしょうね」

◆他の夫人たちは「家族であり友達」の感覚

 今回は実際に一緒に暮らす“夫人”たちにも話を聞くことができた。彼女たちの本音とは……。

「一夫多妻の生活を私がするなんて、考えたこともありませんでした」と笑うのは、第1夫人の陽咲さんだ。

「私は恋愛経験が乏しくて、初めての相手が彼なんです。出会ったばかりの頃は、やっぱりやきもちを焼いたりもしましたけど、彼の男らしくてどっしり構えていて、みんなをリードしてくれるところが大好きですね」

 この生活も3年目に突入し、他の夫人たちのことは「家族であり友達」だという。

「福島出身で北海道に出てきたから地元の友達とは疎遠になっているので、この環境とかを知らないと思うけど、もう吹っ切れています」

◆「全員が大雑把だからいいのかも?」

 第2夫人の彩花さんも「浮気なんて絶対にありえないと思っていました」という自身の恋愛観を語ってくれた。

「私はそれなりに恋愛してきたほうなんですが、彼が人間的にどの元カレよりも面白いと思って。刺激的で自分にはない部分をいっぱい持っているから飽きない。面白い日々を過ごさせてもらっています」

 とはいえ、共同生活においてはトラブルはつきもののような気もするが、彩花さんは少し考えたのちに「ないです」と言い切った。

「不満は出かける前にトイレや洗面所の渋滞が起きるくらいかな。“洗い方が気に入らない”とか “ティッシュペーパーがない”という共同生活あるあるみたいな喧嘩もない。みんな思いやりや気遣いがあって、全員がO型とB型で大雑把だからいいのかも?」

 もしも第5夫人が入ってくるとしたら「A型の人は合わないかもしれない」という。

◆「はじめは詐欺師かと思いました(笑)」

 そして第3夫人の千晴さんは渡部さんのことを「はじめは詐欺師かと思いました」と豪快に笑う。2人の出会いはマッチングアプリだった。

「ちょうど出会った頃は、私も少し遊んでいたので。暇潰しでマッチングアプリで出会った人たちをハシゴしていたんです。その中の一人が彼だった」

 2人がマッチングしたとき、渡部さんは年齢を10歳もサバを読んでいたというからすごい……。

「23歳の設定で、いきなりベンツのSクラスでやってきた(笑)。そんなん詐欺師にしか見えないじゃないですか」

 千晴さんも「自分の人生がこんなふうになるとは思ってはいなかった」と振り返る。

「普通に結婚して子育てをすると思っていました。最初は『とりあえず一緒に住んでみて無理だったら出ていこう!』っていう軽いノリでした。そもそも1人でいるのが好きだったから、こんな関係が長く続いていることに自分がいちばん驚いています」

 自身の家族に対しては「理解はできないかもしれないし、しなくていいけど、“妥協”してくれたら嬉しいな」と語っていた。

◆「彼ほど面白い人はいない」

 取材中、どの夫人も「彼ほど面白い人はいない」と口を揃えていたのが印象的だ。

 筆者(吉沢さりぃ)はシングルマザーなのだが、渡部さんは冗談とも本気ともつかない調子で「僕の第5夫人にどうですか?」と何度も言ってきた。不思議と「ちょっと面白そうかも」と思ってしまう自分がいるのだった……。

<取材・文/吉沢さりぃ>

―[勝手に“一夫多妻”の共同生活]―



【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。X(旧Twitter):@sally_y0720