「これが子連れヒグマの恐ろしさです」。今年もクマの目撃が相次ぐ中、運転中にクマに襲撃された軽トラックの惨状がネット上に公開され、大きな衝撃を与えています。フロントガラスは割れ、サイドミラーは破壊され、車体はボコボコに…。投稿したN31°(@meat_horikku72)さんに詳しい話を聞きました。

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備えをしていてもすべてを粉砕されそうなパワーに衝撃

「あの熊の動画でバズったトラックです。
本人から掲載許可もらってます。
これが子連れヒグマの恐ろしさです
サイドミラーは破壊されて後ろは爪の痕が残っていました ヤバいぜ〜」

 20日、N31°さんが画像を添えてXに投稿すると、ネット上は騒然。「くまが襲いかかるときのエネルギーを証明するのに、こんなにも説得力ある画像はないですね…」「戦場帰りかと思った」「くまパンチでやられたフロントガラスがやばさを物語ってる」「車をこんなふうにできるなんてバケモンすぎる…」「これが生身の人間だと…」「本当に無事に帰れてよかったとしか言えない」など多くの声が寄せられました。

「あの熊の動画」とは、北海道・根室市で4月下旬に撮影されたものです。1台の車が林道を走っていると、右側から突如としてヒグマが現れ、車に向かって猛進。ステップを踏みながら体当たりを食らわせ、最初の一撃でワイパーを破壊すると、フロントガラスにも追撃。道路の左側には小グマの姿があり、襲ったのは母グマだと見られています。

 N31°さんは運転していた50代男性と「猟師友達になります」と説明。「私は熊のいない県に住んでいます」と補足しつつ、男性について、「山菜取りの50代男性と報道されましたが、彼は子どもたちの登下校中に熊のパトロールをしていたり、猟期には鹿を200頭以上とるすご腕スナイパーです。あの地域に貢献している方です」と紹介しました。

 クマに襲われたことには、実は前段があったと打ち明けます。

「あの熊とは前の日にエンカウントしていて、熊も彼を認識していました。翌日に鉢合わせたときに目が合ってしまったこと、前の日にエンカウントしていたことが重なり、親熊が神経質になっていたものと考えられ、あのように勢いよく攻撃してきたものと思われます」と続けました。

 予期せぬ事態に、並のドライバーならパニックになりそうなもの。しかし、男性は冷静に対応したと言います。

「エアバックが作動すると車が動かなくなるため、向かってきたのを見た瞬間、抜け出す隙を見定めたと言っていました。後ろを追いかけてきたため、荷台に乗られるのではないかと思ったそうです」

 車は襲撃された後、徐々にスピードを上げて危険を回避しています。

「本人にケガはありませんでしたが、足の震えがしばらく止まらなかったと言っていました」と緊迫した様子を語りました。

車のサイド、リアにも攻撃痕 迫っていた命の危機

 それにしても、車の被害はすさまじいのひと言です。車が止まってしまえば、命の危険と隣り合わせになったことは間違いありません。投稿の写真は、走行時には付いていたフロントカバーを外して撮影したものですが、車の後方にも爪痕がはっきり残るなど、被害が見られます。

 ただ、N31°さんによると、男性は車を廃車にせず、修復したい意向を持っているとのこと。車種はスズキのスーパーキャリイのAGSギヤで、すでに販売終了している個体です。

「とても気に入られていて修理して乗りたいそうなのですが、修理会社の社長と従業員が入院中でいつ修理されるのか未定とのことです。非常に困っているので、何とかしてあげたいのですが…」と修理のメドは立っていないことを明かしました。

 春になり、冬眠から目覚めたクマが今後各地で出没することが予想されています。少しでも被害を減らすためにどのような対策を取ればいいのか。今年も悩ましい問題となりそうです。

Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム