ミュージシャンの坂本美雨(44)が2日、インスタグラムを更新。昨年の3月28日に71歳で死去した父で音楽家の坂本龍一さんと最後に交わした約束を明かし、平和への願いをつづった。

美雨は1日に44歳の誕生日を迎え、「いよいよ人生を折り返しています。この世界を離れる時に、娘や大好きな人たちと離れる時に、みんなが幸せになれる、と安心したい」との思いをつづるとともに、「父が亡くなる間際、私は父に『ずっと幸せでいるから安心して』と伝えました。最後の約束です。自分が息を引き取る時になんて言われたいかを考えたら、“自分がいなくなったあとも愛する人が幸せでいる”という安心が欲しいと思ったからです」と、亡き父との約束を回想。「でも、その約束が守れるかどうかはわかりません。本当のところは、今のままの世界では、自分や子どもたちが幸せに命をまっとうするどころか、生き延びることさえ危ういです」と心境をつづった。

美雨は、イスラエルとの戦闘で多くの命が奪われているパレスチナの現状や、それを黙認する国際社会の姿勢を憂い、「私はそれに対して、いやだ!間違ってる!と言わずには生きていけません。黙っていられないのは、“善良”なわけでも勇気があるからでも知識があるからでもなくて、ただふつうの人間の心に動かされてです。死んでほしくない。殺さないでほしい。自分も加担したくない。そんな当たり前の心です」と吐露。「お願いがあります。パレスチナで起きていることに目を向けてください」とした。

「今起きていることを自分には関係ない遠いこととして考えるか、自分の人生との繋がりに気付くか。どう振る舞うかは、自分たちの身に返ってきます。知ること、祈ること、自分の大切な人や生活をしっかり守ることもすごく大切です。だけど、できればもう一歩踏み込んで知り、祈りを声にし、身近な人と話し、行動にうつしてみませんか。デモやボイコットなど、慣れない非日常なことも混ざってくると思います。でも、非日常があって当然ではないか?と思います。だって目の前で虐殺が起こっているのを知っているのだから」と切実に訴え、「“美雨さんが発信してるのはすごいと思う”と最近よく言ってもらいます。励まされます。でも、すごく孤独で寂しいです。怖いです。虚無感にも襲われます。だから共に知り、共に発信し、共に歩んでもらえませんか?」と呼びかけた。