元テレビ朝日社員の玉川徹氏(60)は10日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳、水原一平被告(39)が大谷の口座から総額1697万5000ドル(約26億3000万円)を盗んだとする銀行詐欺などの罪を認め司法取引に応じたことに関連し、一連の経緯のドラマ化が米国内で持ち上がっていることに言及した。これに対し、プロ野球ヤクルトなどで活躍したタレント長嶋一茂(58)は疑問を唱えた。

9日(日本時間10日)に、水原被告の問題のテレビドラマ製作方針を公表したのは、米ライオンズゲート社。2017年のアカデミー賞で監督賞など6部門を受賞した映画「ラ・ラ・ランド」などでも知られる大手で、タイトルや放送時期は未定としている。

玉川氏は「それくらいアメリカで興味があるということなら、今回の経緯を包み隠さず本に書けばいいのではないか。そしてその印税を(大谷に)返す」と、理解を示した、その上で、司法取引の条件として、大谷側への被害額の返済も盛り込まれたことを念頭に「(水原被告は)26億円なんて返せないでしょ。でも、大谷さんからすると少しでも返すそぶりは見せてほしいだろうし、本になれば、そんなにアメリカで興味があるのならそこそこ売れるだろうし、印税は全部、大谷さんに払いますと。翻訳されて日本でも発売されれば、日本でも売れるかもしれない。それも大谷さんに全部払うくらいのことはをやってもいいんじゃないですか」と主張した。

これに対し、一茂は「気持ちは分かるけど、大谷さんはどう思うかなと、思っちゃう」と疑問を示した。

「ドラマ化は、興味があることだから大手の製作会社がやるんだろうけれど、今の大谷選手の心中を考えると、忘れているとは言わないが、忘れて野球に集中して、いうところに、ドラマ化だの、本を出すだのっていうのは、大谷選手だけのことを考えたら、僕は結構疑問かな」と口にした。ただ「印税を払うというのは、手段としてはそれしかないよね」とも口にした。

中継出演した同局のロサンゼルス支局長が、米国内の反応として「見たい気持ちと、これ以上はそっとしておこうというのはあるが、ハリウッドなので数億円、数十億円の契約になると思う。独占契約みたいなことをすると、かなりのお金が入ってくると思うので、それを弁済にあてるのであれば罪を少しでも償えるのかなという気はします」と述べると、玉川氏は「水原さんが語らない限り、何も(新しい事実は)明らかにならない」と応じた。

番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一も「返済方法の1つとしては(ドラマ化などは)あり得る」と述べたが、一茂は「大谷選手はそうでもして、失った26億円を返してほしいと言うのかなというのも、一方であると思う。そんなことより、もう不問に付すくらいの気持ちを持っている可能性もあると思う」と主張。「ドラマができたらかといって、大谷選手や家族は見ますか?というところだと思うけどね」と、納得できない様子だった。