「3本の矢」で食い止める! 阪神は今日2日から首位広島と敵地3連戦に臨む。神宮で2連敗し、広島とは4ゲーム差。結果によっては早くも厳しい状況に追い込まれる。初戦は今季5度もチームの連敗を止めてきた才木浩人(25)が先発。広島キラーの大竹耕太郎(29)が2戦目、今季広島に1失点完投勝ちした村上頌樹(26)が続く。岡田彰布監督(66)が「大変な負け」と激怒した6月30日ヤクルト戦から漂う負の空気を、頼れる3枚で吹き飛ばしたい。

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8回裏に4点差を大逆転された「神宮ショック」から一夜明けた。阪神の先発投手が集った甲子園室内練習場に悲壮な空気はなかった。首位広島との敵地3連戦。もし3連敗となれば、7ゲーム差でコイの背中が遠ざかる。もちろん、逆をいけば情勢挽回。そのカードに最適な「3本の矢」をぶつける。

先陣は8勝右腕の才木だ。今季はチームの連敗中に5度先発し、すべて勝利に導いている。6月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)では1−0完封で6連敗を防いだ。前回の中日戦(倉敷)で日曜から火曜に登板曜日を変えたが、8回1失点と好調をキープ。週の頭、カード初戦、そして連敗中のマウンドを任せるのに、これ以上の投手はいない。

才木 今、何位ですか? 4位? 全然知らないです、ぐらいな感じ(笑い)。まだシーズン半分なので。そんなに差も開いてないですよね。気にしたってしょうがない。いつも通りという感じ。相手より、まず自分がどうか。周りが全部赤色になると思うので、そういうのも逆に楽しんでやれたら。

気負いのなさが「連敗ストッパー」たるゆえんかもしれない。広島戦は昨年5月21日以来だが、通算6勝1敗と相性もいい。

2戦目は通算7勝無敗と、さらにコイに強い大竹が続く。才木同様に驚くほど自然体だ。

大竹 やることは変わらない。チーム状況がいい、悪いで変えていたらおかしい。自分の役割は週1回、投げること。それをしっかりと全うするだけです。

3戦目は村上が控える。開幕から務めてきた火曜日を才木に譲り、木曜日に。その初戦だった前回中日戦はもう少しで完封の9回途中1失点。2カ月ぶりの3勝目で復活を告げた。

村上 (広島は)まあ首位ですけど、ここで3連勝すればまた近づきますし。気にするのは後半戦になってからですね。前の2人もいい投球をすると思うので、自分も続きたいです。

広島ゆかりの戦国武将・毛利元就が説いた「3本の矢」は、束になれば1本より強いという教え。阪神が誇る強力な3本は、安芸の地で勝ちどきを上げるつもりだ。【柏原誠】