ドジャース大谷翔平投手（29）の元通訳、水原一平被告（39）が大谷の口座から総額1697万5000ドル（約26億3000万円）を盗んだとする銀行詐欺などの罪を認め、司法取引に応じた。8日（日本時間9日）、米司法省が発表した。大谷に成り済まして24回以上も銀行に電話していたことや、歯の治療費として大金をだまし取ったことなど、同被告の新たな手口も明らかになった。

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水原被告はこれまでに報じられていた銀行詐欺罪に加え、納税詐欺罪の罪状に関しても司法取引に応じた。銀行詐欺罪は最長で禁錮30年、うその申告による納税詐欺は最長で禁錮3年となるが、司法取引で量刑が軽減される見通し。連邦検察によると、同被告は数週間以内に有罪を認める予定で、14日（同15日）にカリフォルニア州の連邦地裁に出廷する。

同被告は大谷から約1700万ドルを盗んだとされており、司法取引には盗んだ金額の全額返済が定められている。連邦地検はこの件に関し「被告の詐欺と窃盗の規模は甚大。信頼されている立場を利用して大谷選手を利用し、危険なギャンブル癖による欲求を満たした」との声明を出した。また、虚偽の納税申告によって約410万ドル（約6億3600万円）の所得を申告しておらず、日本の国税庁にあたる米内国歳入庁（IRS）に114万9400ドル（約1億7800万円）を追加で納税することも義務付けられた。独身と偽って税金の控除を受けていたとも報じられている。

水原被告が大谷からお金を盗んだ新たな手口も明らかになった。昨年9月には、歯の治療に6万ドル（約930万円）が必要になり、大谷がビジネス用の銀行口座から治療費を支払うことで同意。しかし、その口座から引き落とした6万ドルは同被告自身の銀行口座に移し、治療費は大谷のデビットカードで支払ったという。また、同被告は大谷に成り済まして少なくとも24回にわたって銀行に電話し、違法ブックメーカーなどへの送金を依頼していたことも判明した。米メディア「アスレチック」などによると、同被告は日本に強制送還になる可能性が高いとの見方もあり、司法取引の今後の展開に注目が集まっている。