やはり〝期待〟に応えてくれる方だった。

 サッカーのU―23日本代表がアジア最終予選を勝ち抜いてパリ五輪出場を決めた。チームを率いる大岩剛監督は3月、北九州市で開催されたウクライナとの国際親善試合のPRに向け、福岡市で取材に応じてくれた。同時刻、Jリーグの野々村芳和チェアマンも福岡市を訪問しており、取材場所もほぼ同じ。その事情を大岩監督に伝えると「いいでしょう。そういうことなら、私が行きますよ」と快諾。こちらの希望をすぐに理解してくれた結果が、2ショットが実現した理由だった。

 インタビューでは、アジアでの戦い方や海外組の現状、個々の選手の立ち位置について、丁寧に説明してくれた。印象に残ったのは「グループで戦うこと」「旬な選手を使うこと」という点だった。パリ五輪の切符を勝ち取ったチームは試合ごとにメンバーを入れ替えながら、誰が出場しても安定した力を発揮していた。J1のFC東京で活躍する荒木遼太郎は攻撃にインパクトを与え、イラクとの準決勝で追加点を決めた。ウクライナ戦ではメンバー入りしなかったセンターバックの鳥栖の木村誠二は、今大会ではCKから2ゴールを決めた。

 今後はオーバーエージを含め、本番に向けたメンバー選考が注目される。ここからは各地で代表候補のアピールが見られることだろう。大岩監督と野々村チェアマンは、静岡での小学校時代から互いを知る同級生という。パリまでの道のりで、2人が力を合わせて日本サッカーを盛り上げることにも期待したい。
(松田達也)