◆ソフトバンク3―1日本ハム(8日、みずほペイペイドーム)

 試合後、小久保監督は同一カード3連勝を決めた今回の日本ハム3連戦について「想定以上です」と振り返った。謙遜でも何でもない、本音だ。

 そう言いきれるのも、交流戦前のポイントに挙げていた3日からの西武、日本ハムとの6連戦を前に、胸の内を明かしてくれていたからだ。

 「全部負ける覚悟もしとるよ。最悪、7連勝が消えるかもしれん。そんなにうまいこと回るわけないやん。今はやれることをやる。それが大事」

 チームは5月1日の楽天戦で今季最長の連勝を「7」で止められた。この〝小休止〟の後の6連戦はリーグ屈指の先発陣を誇る西武、開幕から好調を維持する日本ハムが相手とあって、最悪も想定した「かじ取り」への意気込みが感じられた。

 結果は4勝2敗で二つの貯金に成功した。西武には初戦、2戦目と連敗し、チームの連敗も今季最長の3まで伸びたが、それも想定内だったからこそ冷静にチームを立て直せた。目先の1勝にこだわらず、的確な状況判断ができる手腕こそが、小久保監督の強みだ。

 これでチームの貯金は今季最多の13となった。2位日本ハムとの5・5ゲーム差も今季最大となったが「まだ5月ですよ。ゲーム差とか順位、消化試合数もほとんど見てない」と指揮官はどこまでも冷静だった。これぞ、将のあるべき姿だろう。(石田泰隆)