パリ五輪に出場するハンドボール男子日本代表のカルロス・オルテガ監督が10日、東京都内で行われている代表合宿に合流し、報道陣の取材に応じた。7月に開幕する本番へ残り2カ月半と短い期間ながら「目的としてはチームとして最善を尽くしていいタイトルを狙うことで、チームとして育て上げていくことも大事。これからライバルに対する対策だとか、合宿、トレーニング計画の準備をスタッフと話し合いながら、準備を具体的に進めていきたい」と話した。

 パリ五輪までの契約だったダグル・シグルドソン前監督が2月に突然辞意を表明。スペインリーグのバルセロナを率いていたスペイン出身のオルテガ監督が急きょ就任した経緯がある。オルテガ監督は現役時代にはスペイン代表として2000年シドニー五輪で銅メダルを獲得。16、17年には男子日本代表監督を務めた。

 今後日本代表は東京・国立代々木競技場で7月1、3日にフェロー諸島と親善試合を行い調整する。

 パリ五輪1次リーグでA組の日本は7月27日の初戦で前日本代表監督のシグルドソン氏が率いるクロアチアと対戦。オルテガ監督は「これはもうくじ引きなので。別に何とも思っていない。クロアチアだからと特別なことは考えていない。最善を尽くすだけ。前任のシグルドソン監督とも私は何かあるわけではない。フラットな感じで戦うだけ。(辞任など)こういったことはスポーツの世界ではよく起こること」と話した。その後はドイツ、スペイン、スロベニア、スウェーデンとぶつかる。1次リーグは男女とも12チームが2組に分かれ、各組4位までが準々決勝に進出する。

 男子代表は2021年の東京五輪から2大会連続。開催国枠以外では1988年ソウル五輪以来となる、36年ぶりに自力での出場権を獲得した。