イランのライシ大統領が死亡したヘリコプターの墜落事故をめぐり、別の機体に乗っていた側近が国営メディアに出演し、「雲を避けるために上昇したら大統領のヘリだけが見えなくなった」などと事故当時の状況を語りました。

AP通信などによりますと、ライシ大統領の首席補佐官は21日、国営メディアに対し、「飛行中は快晴だったが、離陸の30分後に雲の塊を発見した」とした上で、「大統領を乗せたヘリが雲を避けるために上昇することを決めた。一緒に飛んでいた2機は上昇したが、30秒もたたないうちに大統領のヘリだけが見えなくなった」などと説明しました。

大統領を乗せた機体だけが上昇できずに雲の中に入り、その後、墜落したとみられます。

首席補佐官らを乗せたヘリは、付近に着陸し、大統領機との交信を試みたところ、同乗していた聖職者が応答したということです。

首席補佐官は、当時のやりとりについて、「調子はどうだと尋ねると、『具合が悪い』と彼は答えた。苦痛でうめいていた。『木の間にいる』『私は1人だ。何が起きたのかわからない』と話していた」と説明しました。この同乗者も、墜落の数時間後には死亡したとみられています。