海外からのインバウンド客が増えるにつれて宿泊施設ではある困りごとも増えています。

それが「忘れ物」です。

その忘れ物を代わりに送ってくれる新しいサービスが注目されています。

Lost Item Delivery 

吉永陽介代表

「こちらはアイパッド。ぬいぐるみ、ペン、色んなものが入っています」

大分市にある「Lost Item Delivery」

国内の宿泊施設に泊まった外国人観光客の忘れ物を海外まで配送するサービスを2020年から始めました。

アイパッドや帽子のほか、観光地で買った日本のお土産など外国人ならではのものも多いそうです。

Lost Item Delivery

吉永陽介代表

「去年に比べたら断然多い」

新型コロナが5類に移行してインバウンド客も戻ってきているいま忘れ物の数も増えていてサービスの需要も高まっています。

LostItemDelivery

吉永陽介代表

「ゲストの方から感想をもらうんですけどその時に頻繁に(コメントに)入っています。ちっちゃい鳥ありがとうと」

忘れ物と一緒に小さな折り鶴を添えるといった「おもてなし」の心も忘れません。

Lost Item Delivery

吉永陽介代表

「私たちが最終的に目指しているのは、訪日外国人がまた新たな訪日外国人を連れて日本に入ってくるということ。施設・ゲスト・(観光客・地域を忘れ物でつないで三方よしの仕組みを目指しています」

ホテルや旅館の負担が9割も削減できるという新しいサービス。その仕組みとは?

佐藤アナ

みなさんも一度はあるかもしれません、宿泊施設への忘れ物。

ホテルや旅館も助かる仕組みがあるんです。

忘れ物を海外に送るサービスの需要は増えています。

「ワスラック」が契約する全国の宿泊施設は現在約400カ所。立ち上げた3年半前から8倍近く増えています。

忘れ物の中にはiPadやアクセサリーのほか日本のお土産なども多いそうで、その数は1カ月で全国で400から500件もあるそうです。

外国人だけでこれだけの数がありますのでホテルや旅館にとっては対応が大変ですよね。

そんな中でこの海外配送サービスは宿泊施設の負担を9割もカットできるそうです。

これまで施設側にはこんな負担がありました。

「忘れ物は3カ月保管する義務がある」

「配送するときは外国語でのやり取りに手間がかかる」

ほか国によって異なる配送ルールを確認しないといけません。

さらに、こんなリスクがあります。

例えば時計のベルトなど動物の皮が使われた物を台湾に送る場合、台湾に到着した後このようなことになる可能性があります。

没収、もしくは送り主に罰金の請求。

国によって異なりますが台湾では忘れ物によってこういうケースがあるそうです。

こうした様々なリスクを配送サービスがあることで削減することができます。

気になるのが海外に配送する仕組みです。

料金は国内送料・海外送料事務作業費などあわせて平均7千円持ち主が支払います。

そして、薬物など違法物のリスクについてはホテルから提供される画像を確認します。

その上で直接目で見てチェックをして法律に違反しないよう注意しているそうですが基本的には宿泊施設で身元がわかるためこれまでにトラブルはないそうです。

ところで、そもそもなぜこのようなサービスを始めたのか?代表の吉永さんに聞きました。

吉永さん、4年前のニュースで「訪日外国人の忘れ物が多く宿泊施設の業務を圧迫している」という現状を見て「自分の知識を何かに生かせないか?」と考えたそうです。

というのも吉永さんはこんな経歴があったんです。元ホテルマンに元運送業。

海外に荷物を届ける様々なノウハウがあったのでこれは生かすしかない!とサービスを始めたそうです。

今後は鉄道やテーマパークなど国内のほかの施設にもサービスを広げていきたいということです。