6日に東京ドームで行われたボクシング・世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチで挑戦者のルイス・ネリに6回1分22秒TKO勝ちを収め、防衛に成功した王者・井上尚弥が7日、横浜市内にある大橋ジムで一夜明け会見を行った。

 一夜明け会見で、井上は晴れ晴れとした表情。「きのう、無事にドーム決戦を終了しまして、一夜明けて映像も見直しました。1ラウンド目のダウンを含め、6ラウンドをしっかり見ました。内容的にも満足いく、すごくいい試合だったと思います」と充実感。「陣営の方々はヒヤヒヤしたと思う。ああいう試合で、来ていた4万人のすべての方が満足したと思う。きのうは本当に歴史に残るいい日になったと思います」と勝利を噛み締めていた。

 対戦したネリについて問われると「全て想定内でした。1つあげるとすれば、もっとパワーがあるのかなと思っていた」とする。「1ラウンドのダウンについては「本当に自分の死角から入ってきたパンチで。見えなかった。1つ誤算があるとすれば、そこの角度調整のミス」と話し、「やりやすさ、やりにくさとか踏まえても1番、手強いとは言えないのかな。戦う前かスキがすごく多い印象があって、その通りのイメージでした」と振り返っていた。

 1ラウンド、井上はネリの左フックにまさかのダウンを喫した。会場中からどよめきが上がり、井上も気持ちを保ちながら起き上がり、その後は防戦しながらも1ラウンドを乗り切った。迎えた2ラウンド、東京ドームから「尚弥!」コールが送られる中、井上は見事にダウンを奪い返し、井上も思わずガッツポーズを作り、会場からも大きな歓声が上がった。井上は冷静にボディを放ちながら、優位に進めていった。

 3ラウンド、井上はリズムよくパンチを放っていき、ネリの攻撃もかわしていく。緊迫した状態が続く中で迎えた4ラウンド。ガードを下げ、フェイントをかけて攻撃を繰り出すなど、魅せる場面も作りつつ、ボディも決めた。5ラウンドも引き続き、緊張感あるシーンが続くが、井上のパンチがネリを捉え始める。井上の左がさく裂し、ネリが2度目のダウン。KO勝利への期待がかかる中での6ラウンド、井上は攻撃の手を緩めず、見事なダウンを奪い、ネリは立ち上がれなかった。

 東京ドームでのボクシング興行は、1990年に行われたマイク・タイソン以来34年ぶりで、井上は日本人として初のメインイベントを務めた。