7月5日(金)から紀伊國屋ホールにて、紀伊國屋ホール60周年記念公演として、中江功演出の『熱海殺人事件 Standard』と中屋敷法仁演出の『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』の上演が決定した。

 2024年に60周年を迎えた紀伊國屋ホールにおいて、60年の歴史の中で最も上演回数の多い作品である、つかこうへいの代表作「熱海殺人事件」。つかこうへい事務所の春の名物として、何度も再演を重ね、東京・新宿の春の風物詩とも呼ばれる程になり、つかこうへい事務所解散後も、1986年に映画化、1989年の演劇活動再開時も、紀伊國屋ホールでの「熱海殺人事件」だけは、本人の手で上演され続けてきた作品である。

 また、タイトルを「売春捜査官」『モンテカルロイリュージョン」などと、変化しながら上演され続け、出演者も、三浦洋一、風間杜夫をはじめ、阿部寛、池田成志、石原良純、馬場徹など、名だたる俳優陣が、歴史を作って来た。

 今回、紀伊國屋60周年を記念して、スタンダード公演の他に、『モンテカルロ・イリュージョン』を上演。2020年の上演時には、開幕とともに観客にセンセーションを巻き起こし話題となったが、感染症の猛威によって、全ての日程を全うすることなく公演中止を余儀なくされた同作。4年の時を経て、60周年を迎えた紀伊國屋ホールをリベンジマッチの舞台として、再び上演する。なお、つかこうへいの15回目の命日にあたる7月10日は『Standard』版の特別上演を予定している。

 『Standard』で木村伝兵衛部長刑事を演じるのは、2020年『ザ・ロンゲストスプリング』、2021年1月『ラストレジェンド』、6月『新・熱海殺人事件』、2023年『バトルロイヤル50's』と、4シーズンにわたり木村伝兵衛を演じ続けている荒井敦史。そして『モンテカルロ・イリュージョン』の木村伝兵衛部長刑事役は、2020年『モンテカルロ・イリュージョン』で妖麗で狂気的な演技を見せ、2023年には大山役を演じ、すべての役を制覇し「ミスター熱海」の異名をとる多和田任益が演じる。

 また、捨て身の潜入捜査を行うヒロイン水野朋子婦人警官には、2021年『ラストレジェンド』、2022年『ラストスプリング』、2023年『バトルロイヤル50's』で注目を集めた新内眞衣。今回、『Standard』チームのヒロインとして登場し、4年連続のヒロイン出演となる。2018年『CROSS OVER 45』で同役を演じた木崎ゆりあ(「崎」は「たつさきが正式表記)は『モンテカルロ・イリュージョン』で、従来の水野朋子婦人警官とは全く違う新たなキャラクターに挑む。

 そして、新人刑事役には2人のニューフェイスが登場。『Standard』版の熊田留吉刑事役には、舞台『弱虫ペダル』やスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」など幅広く活躍する富永勇也。『モンテカルロ・イリュージョン』に登場する速水健作役には、大河ドラマから映画、舞台など幅広い活躍を見せ、現在舞台『ルール〜「十五少年漂流記」より〜』で荒井と競演し、好評を博している嘉島陸が決定。

 さらに、犯人・大山金太郎には、『Standard』では、『いつも心に太陽を』、『広島に原爆を落とす日』、『新・幕末純情伝』といったつか作品にはかかせない存在の高橋龍輝が満を持して挑み、『モンテカルロ・イリュージョン』では数多くの舞台経験に裏打ちされた風格で、作品や座組の根幹を担った鳥越裕貴が同役に挑む。

 『Standard』の演出は、ドラマ『Dr.コトー診療所』、『教場』シリーズなどで知られるフジテレビジョン編成制作局・エグゼクティブディレクターの中江功が担当。『モンテカルロ・イリュージョン』の演出には、高い演劇教養と演出力で異端な戯曲を見事に昇華した中屋敷法仁が決定し、再びその腕を振るう。

【公演概要】
紀伊國屋ホール60 周年記念公演『熱海連続殺人事件』
『熱海殺人事件 Standard』
■作:つかこうへい
■演出:中江功
■出演:
木村伝兵衛部長刑事/荒井敦史
婦人警官水野朋子/新内眞衣
熊田留吉刑事/富永勇也
犯人大山金太郎/高橋龍輝

『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』
■作:つかこうへい
■演出:中屋敷法仁
■出演:
木村伝兵衛部長刑事/多和田任益
速水健作刑事/嘉島陸
犯人大山金太郎/鳥越裕貴
婦人警官水野朋子/木崎ゆりあ

■会場:紀伊國屋ホール
■公演期間:2024年7月5日(金)〜22日(月)