6月2日開催の『BreakingDown12』に、あの男が帰って来る。2年前の『BreakingDown4』のオーディションで鮮烈なデビューを果たすやいなや、一気に看板選手へと駆け上がり、現在は「割烹こめを」のオーナーシェフとして活躍するこめお(29)が、カウアン・オカモト(27)と対戦する。

 「割烹こめを」の営業だけではなく、レシピ本の出版など本業である料理に集中するため、昨年にBreakingDownへの出場を休止していたが、なぜこのタイミングで復活を決意したのか。その理由、そして“もっともBreakingDownドリームをつかんだ男”として現在のBreakingDownへの思いを聞いた。

■BreakingDownオーディションは「くすぶった自分を変えられるターニングポイントにしたかった」

――ORICON NEWSでは初めてのインタビューとなりますので、改めてになりますが「こめお」というお名前の由来から教えていただけますでしょうか。

僕は本名が「沼倉大将(ぬまくらだいち)」で、昔やってたmixiで「ぬまお」って名前にしていたんです。それでBreakingDownに出場で名前を登録する時に、普通の名前だと覚えてもらえないと思って、ちょうどその時に“ごはんソムリエ”の資格を取ったり、米についての活動をしていたので、mixiの名前みたいに「こめお」って思いつきました。覚えてもらいやすいのですが、ちょっとナメられるって感じもありますね。

――BreakingDownに出ようと思ったキッカケは?

もともと飲食店で働いていた時にお客さんとして(朝倉)未来くんが来てくれて。自分は格闘技を見ていたし、未来くんの過去の経歴とかも知っていて、少しお話をさせていただくタイミングがあったので「僕も刑務所に入っていたんです」と伝えたら、「BreakingDownに出てみたら?」って言われて。知らなかったので調べてみて、ちょっと出てみようかなと応募しました。

――格闘技の経験はあったのですか?

小さい頃に喧嘩で負けて、強くなろうと思って空手道場に入ったんですけど、最初は初心者コースみたいなのを習うじゃないですか。もっと実践的なことをやりたかったので、すぐに辞めちゃいましたね。格闘技じゃないですけど、自分の兄貴がけっこうヤンチャで、その影響で自分も悪ガキになって喧嘩とか悪さはいっぱいしてきました。

――BreakingDownのオーディションでの乱闘で、一気に知名度が広がりました。あの時は「これをやったらバズるかな」といった計算はあったのですか?

何も無いですよ。そもそもBreakingDownを知らなかったし、こんな有名な大会になって自分も有名になるなんて思ってなかった。ホント、ただ必死だったんですよ。あの時は料理人をやってたけど給料は手取り15万くらいで「刑務所から上がって、こんなのでいいのか」みたいな葛藤がずっとあって、くすぶった自分を変えられるターニングポイントにしたくてなるかもって思って、出るからには「誰か1人に喧嘩売ってやろう」って決めて、最初は後藤祐樹を狙ったら、瓜田(純士)さんに絡まれて、いろんな人と喧嘩するハメになりました(笑)。自分の殺気はビンビンだったし、当時のオーディション会場も今より殺気立ってましたね。今はちょっと穏やかになってると思います。

――最近のオーディションは明るいスタジオで豪華なセットで行われていますね。

あの頃はセットなんてパネルくらいしかなかったし、笑いの要素も一切なかったから、殺気がすごかったし、控室で普通に喧嘩してましたからね。ただ、カメラの前に出るのなんて人生初めてだからみんな緊張してましたよね。自分はたぶん本番に強いタイプだったのかな(笑)。

■世間の批判の声には「仕方ないけど、プラスの努力をして帳尻を合わせることが大事」

――あのオーディションでの乱闘直後から、一気にSNSフォロワーは増えましたか?

増えましたけど、そんなにですよ。当時は1万人もいなくて、今ではたくさんの方にフォローしていただいていますけど、これは僕がSNSを頑張り続けてきた結果なので。YouTubeも未来くんとコラボして3万人くらいから始まって、そこからチリツモで今は38万人までいきました。飯田(将成)さんなんて、最初からインスタのフォロワーが20万人くらいで、YouTubeも未来くんとコラボしてすぐ10万人くらいになって。自分はそんなにすぐに良い結果は出なかったですね。

――BreakingDownに出て人生が変わったと思いますか?

はい、たぶん僕が一番変わったと思いますし、変わるための努力もしたと思います。BreakingDownで人気が出たら、地元でちょっとチヤホヤされて、そこで満足したらそこまでなんですよ。僕は積極的にインフルエンサーの集まりとかに顔を出すようにして、そこでは自分が一番下だから「もっと上を目指さないと」って覚悟を決めて、給料15万の生活に戻りたくないから必死になってました。

――有名になることで気をつけたことはありましたか?

警察沙汰は気をつけました。今は減りましたけど街でめっちゃ絡まれたし、飲み屋で喧嘩を売られたり、急に頭を引っ叩かれたりしたけど、絶対に手を出さなかったです。COOの溝口(勇児)さんと沖縄に旅行に行って国際通りを歩いていて、チンピラみたいなやつに絡まれたときは、溝口さんのほうが怒って先に手を出しそうになってました(笑)。

――ただ、最近はBreakingDown出場者の逮捕が続いたため、世間から批判の声もありました。この状況にこめおさんが感じることは?

そういう風向きになるのは仕方ないですよ。実際に逮捕者が出てしまって、未来くんも「逮捕者は出場停止」って発表していましたけど、それも当然なことかなと。そもそも、世間からそういう見方をされてもしょうがない団体じゃないですか、あんだけオーディションで殴り合ってるんだから。マイナスからスタートしてる人間たちが集まって、そういうイメージが形成されているので。だからこそ、プラスの努力をして帳尻を合わせることが大事だと思うので、僕は個人的に動いています。今回のBreakingDownのスポンサーをやったり、子ども食堂をやったり、レシピ本の収益を被災地に寄付したり。自分がこういう立場になったからこそ、誰に何を言われても積極的にできることをやっていこうと思っています。

――こめおさんとしてはBreakingDownのイメージを良くしていきたい?

そうですね、さんざん世話になったので、世間から叩かれると悲しいっていう気持ちはありますし、仕方ないとも思います。ただ、だからって世間に対して努力しないってことにはならないので、より襟を正して行動していきます。

――BreakingDown出場者で仲の良い人はいますか?

プライベートで仲がいいのは、てるくんとか咲人と飯に行ったり旅行もしました。あと、この前は未来くんと萩原(裕介)さんと3人で食事に行って、経営者の立場で意見を交わしたりしました。意外と数字の話とかもしてるんですよ(笑)。

■久々のオーディション出演は前日の朝倉未来の電話で決定!?「朝7時まで銀太と飲んでて…」

――料理人としても経営者としてもお忙しいなかで、久々に今回のBreakingDownに出場することになったキッカケは?

オーディション前日に未来くんから「明日これる?」って電話があって、「なんですか?」って聞いたら「オーディション」って言われて。「予定あるの?これないの?」って聞かれたので、「行きます」っていう流れです(笑)。

――もともとはスポンサーだけの予定だったんですか?

はい、それなのにオーディションに呼ばれて、行ったらいきなり戦うハメになって(笑)。準備なんて何もしてなかったし、当日の朝7時までRepezen Foxxの銀太の送別会で飲んで、自分の店の朝食の準備をして、そのままオーディションに行きました。それでいきなりケージに入って戦うことになったけど、テンションが上ってアドレナリンが一気に出ましたね。ハングリーさとか必死な感じが蘇ってきて、懐かしく感じました。

――そして、本戦ではタレントのカウアン・オカモトさんとの試合が決定しました。相手のことはご存知でしたか?

タレント活動なんて1回も見たことないし、あんなヤツがひな壇に座って格が落ちたなって気がしました。久々の大会だったからひな壇に知らない人が増えたし、いつもオーディションで戦わさられてるとしぞうがチョットかわいそうに見えました(笑)。

――試合が迫ってきましたが、練習はしていますか?

何もしてないし今はお店も忙しいからする予定もないですけど、カウアンには「お前が出てくる舞台じゃない」って分からせます。アウトローな人間でもないし、エンタメ枠にも振り切れてない、ただのフェイク野郎は帰っていいよ。

――久々の復帰で喜んでいるファンの方も多いですが、今後の出場予定は?

今回は本当に未来くんの電話に出ただけなんで。今後は未来くんから電話がかかってきたら、BreakingDownのオーディション時期を確認してから出ようと思います(笑)。お店が忙しくて練習をする時間もないし、僕は料理人として生きていくと決めているので。

――「割烹こめを」には、かつてSNSでバトルしていた平本蓮選手も来られたんですよね?

SNSでめちゃくちゃふざけた投稿してましたよね(笑)。今は仲がいいですし、彼がアイルランドに行く前にも飲みに行きました。いいヤツですね。

――7月28日の『超RIZIN.3』では未来選手と平本選手が対戦されますが、こめおさんとしてはどんな試合を期待しますか?

イチ格闘技ファンとして、シンプルにいい試合になればいいなと思っています。僕も会場に見に行くので、満員の会場が湧き上がるような試合が見られたらファンとしてうれしいですね。

●6・2『SILK THE RICH presents BreakingDown12』
会場:アリーナ立川立飛 観戦チケット発売中
PPV:BreakingDown公式/ABEMA PPV 前売チケット発売中