男性セラピストが女性に性的サービスを提供する「女性用風俗」(通称:女風)の利用者が増加しています。もはや風俗は、男性だけが利用するものではありません。なぜ女性が風俗に通うのか、サービス内容や料金の相場などと合わせてご紹介します。

「女性用風俗」(女風)とは

「女性用風俗」(女風)は、セラピストと呼ばれる男性が女性に性的サービスを行うところ。性的サービスに限らず、デートや添い寝、悩みを聞いてくれるなどのサービスも提供しています。

基本的な性的サービスは「ハグ」「キス」「オイルマッサージ」、優しくボディタッチをする「フェザータッチ」、全身を愛撫する「全身リップ」、女性器を舐める「クンニ」、膣に指を入れる「指入れ」など。オプションでセックストイを用意しているところもあります。

サービスを受ける前に担当の男性セラピストとカウンセリングを行うので、その際にしてほしいこと、してほしくないことを伝えます。なお、女性用風俗では「本番行為」(男性器を女性器に挿入する行為)は禁止されています。

また、最近は男性セラピストが接客する「女風バー」が登場して話題に。「風俗はハードルが高い」と感じている女性にも、より利用しやすいお店として注目されています。

女性用風俗(女風)のサービス内容

女性用風俗の主なサービス4種類をご紹介します。

出張ホスト

出張ホストでは、食事やショッピングなどのデートを楽しんだり、ホテルや自宅などで性的サービスを受けたりできます。好みの男性とデートを楽しみたい人や、自分好みのデートをしたい人に利用されています。

性感マッサージ

男性セラピストが丁寧なマッサージのサービスを提供します。リラクゼーションマッサージのほか、胸や性器など性感帯のマッサージも含まれます。オプションでバイブや目隠し、手錠など大人のおもちゃを用意しているところもあります。

添い寝

性的なサービスを行わず、添い寝だけをするサービスもあります。ホテルなどで雑談しながら添い寝をしてくれます。男性に話を聞いてもらいたい人や、男性と一緒に眠りたい人などが利用しています。

カウンセリング

カウンセリングは、男性に悩みを相談できるサービスです。周りの人にはなかなか相談しづらい性の悩み、たとえば「オーガズムを得たことがない」「男性がよろこぶ性的なテクニックを知りたい」などを相談できます。

女性用風俗(女風)の費用

女性用風俗の料金はお店によって異なりますが、平均的とされる120分コースで15,000〜20,000円が相場です。長時間過ごしたい人向けに「お泊まりプラン」を提供しているお店もあり、料金は10時間で50,000円前後です。

デートでの食事代や交通費、ホテルを利用する場合はホテル代なども利用者が負担するため、実際に支払う金額はもっと多いといえるでしょう。

女性が風俗を利用する理由

これまで風俗は男性が利用するものというイメージがありましたが、なぜ女性用風俗が注目されているのでしょうか。

性の悩みを隠さない風潮が後押しに

長年にわたり、女性の性にまつわる話題はタブーとされる風潮がありました。しかし、昨今はフェムテック(※)市場の広がりなど、女性の性がオープンに語られるようになりつつあり、こうした風潮が女性用風俗の利用を後押ししていると考えられます。

※フェムテックとは、生理や更年期など女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことです。

悩みはセックスレスなどさまざま

女性用風俗を利用しているのは50代を含め、幅広い世代の女性です。パートナーがいる人、いない人、どちらにも利用者がいます。女性用風俗を利用する理由として次のようなことが挙げられます。

パートナーとのセックスレスに悩んでいる
セックスレスはカップル間で性交も性的接触もなくなっている状態です。

パートナーとのセックスに不満を抱いている
前戯がほとんどないなど男性本位のセックスが嫌だと感じている女性もいます。

疑似恋愛を楽しみたい
ビジネスと割り切り、恋愛の楽しいところだけを味わいたいという女性も。

性体験がない、または少ない
性体験があまりなく、男性に慣れることを目的に利用するケースもあります。

性欲解消だけではない風俗の魅力

女性用風俗の利用者はどのような点に魅力を感じているのかをまとめました。

自己肯定感が上がる
男性セラピストとの深いコミュニケーションで性的・精神的に満たされることで、自己肯定感が高まったと感じる女性は多いようです。

お金を払っているので気を遣わずにサービスを受けられる
パートナーとのデートや性行為では、相手に満足してもらうために気を遣ってしまう人も。しかし、お金を払ってサービスを受ける立場であれば、自分の希望を満たすことだけに専念できるという声もあります。

性的欲求を満たされる
性的サービスを受けることで性欲を解消できることも魅力です。

女性用風俗(女風)の注意点

女性用風俗(女風)は店舗を持たない場合が多く、サービスの質や実態が分かりにくいことも。風営法に基づき、無店舗の風俗営業でも公安委員会への届出が必要ですが、中には届出をせずに営業する違法業者もいます。利用者はどんなことに気をつけたらよいでしょうか。

ホームページの情報を確認
お店のホームページで料金やサービス内容をよく確認しましょう。また、定期的な性病検査を実施しているか、男性セラピストの研修制度はあるか、本番行為の禁止などルールを徹底しているか、といったこともチェックポイントです。

18歳未満による接待をしていないか
風営法により、18歳未満の者に客の接待をさせることは禁止されています。

客引きをしていないか
風営法により、客引きや、客引きのための立ちふさがりやつきまといをすることは禁止されています。

(まとめ)
性に関する女性の欲望や悩みが少しずつオープンになっていく中、女性用風俗の存在感は増してきています。しかし、中には違法業者など悪質なお店があることも事実。トラブルに合うことがないよう、安全性や信頼性は十分に確認しましょう。


構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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