最先端のものより、いにしえの慣習に粋を感じることは少なくない。これからやってくる暑い夏の過ごし方も江戸時代の知恵にならってみようと、東京・大手町の日本旅館「星のや東京」(星野リゾート・長野県軽井沢町)は、5月28日〜8月28日の期間、東京の景色を眺めながらシャンパーニュと季節のおつまみを味わう「夏の宵・納涼舟あそび」を開催する。

 物資や人を運ぶための高度な水運機能を持つ「水の都」として栄えた江戸の町。水路を中心に問屋や市場が生まれ、周辺には飲食店が広がり、人々は水辺に多くの楽しみを見いだした。四季折々の豊かな水辺の風景を舟から眺めて楽しむ「舟あそび」がその一つ。「大川(隅田川)の涼み」は夏の風物詩だった。

 そこで現代の東京でも、水上バスや屋形船などの大型船が少ない東雲運河で、夕涼みの時間を優雅に過ごそうという企画だ。貸し切り舟の特別席で、浴衣を着てシャンパーニュと季節のおつまみを味わう。星のや東京宿泊者で、1日1組4人まで。料金は税込み1人13万5900円、2人14万7300円、3人16万1200円、4人17万2600円(税・サービス料込み、宿泊費別)。