夫と2人の息子のために家事に明け暮れ、忙しい日々を送る小野寺さおりさん(54才)。そんな彼女の悩みは「額のしわ・目の下のたるみ・目尻のしわ・ほうれい線・顔全体のたるみ・首の横じわ」。それらを解決すべく、美容YouTuber・NINEさんのアドバイスを受け、2泊3日「韓国若返りツアー」に出発した小野寺さん。前号に続く今回は、2日目&帰国後をレポートします。

【読者代表チャレンジャー・小野寺さおりさん(54才)】
「ミスコンの女王」と言われていた輝かしい過去もある。現在、夫(58才)と息子2人、愛犬1匹と暮らす。

【韓国在住の美容YouTuber・NINE(ナイン)さん】
 日本の大手美容クリニックでカウンセラーとして6年間の経験を積んだ後に渡韓し、YouTubeチャンネル『NINE Beauty』を立ち上げる。美肌作りをコンセプトとしたクリニックでのスキンケアや、韓国の最新美容情報を発信中。

「昨日のスキンブースターは痛かったけど、内出血もなかったし、術後の肌のボコボコ感も1日ですっかり収まりました。これからどんな効果が出てくるのか楽しみです」と、ほほえむ小野寺さん。2日目の施術「糸リフト」について伝えると、

「“糸リフトは手術”というイメージがあったけど、実際は、“内側から糸でフェイスラインを引き上げるプチ整形”だと聞いてホッとしました。メスを使った手術に及び腰だった私でも大丈夫そうです」

 NINEさんによると、施術時間は約30分。術後は傷口に注射痕が残る程度で、施術直後からリフトアップ効果を実感でき、翌日からメイクもOKだという。いちばんの悩みだった「顔全体のたるみ」を解消すべく、小野寺さんはクリニックのドアを開けた──。

左右の頬に糸を入れ、肌を引き上げる!

 

やってきたのは、蚕宝駅直結「ロッテワールドタワー」内にある『オガナセル皮膚科医院 ロッテワールドタワー店』。

 フェイスラインをキュッと引き上げることにより、頬のたるみや深く刻まれたほうれい線の改善を見込める「糸リフト」。この施術が適しているかどうかは、医師が診断後に判断する。

「加齢などによるたるみでなく、脂肪の重さで下垂している場合もあります。そのようなケースや極端にたるんでいる場合は、糸リフトでは改善が見込めないため、手術をすすめます」(代表院長)

 診察後、代表院長は「面で引き上げる」と判断をした。一般的には顔面の片側に8〜12本の糸を入れるが、今回は左右各10本、計20本を入れることに。

「ほとんどのクリニックは、糸の本数によって金額が変わります。たとえば、日本では1本2万〜5万円ほどです。しかし、このクリニックでは何本入れても料金は一律なので、たるみが強く、多くの本数を要するかたは金額を抑えられます。カウンセラーとの対話のみで施術方法を決めてしまうところも多いので、同院のように担当医師が事前に診察をしてくれるクリニックを選ぶとよいでしょう」(NINEさん)

 ちなみに同院は、2023年9月の開院以降、500件以上の施術を実施。糸リフトは週平均10件行っている。使用するのは、半年から1年かけて体内で分解・吸収される“溶ける糸”だという。

「デュアルラインとBBLOCKという糸を使用しています。突起のついた張りのある糸で、たるんだ部位を強力に引き上げます」(代表院長・以下同)

 麻酔後、代表院長がもみあげの部分とフェイスラインに“設計図”を描いて仕上がりをデザインしていく。どんな仕上がりを目指しているのだろうか。

「フェイスラインから少し上の部分に長めの糸を入れ、口元のたるみを解消します。そして耳の前部分9か所から、こめかみに向かって垂直に皮膚を引き上げます。目元や頬、フェイスラインがすっきりしますよ」

 施術時間は30分程度。針を刺し、糸を挿入する際、記者はハラハラしたが、小野寺さんいわく「麻酔がいちばん痛かった」そう。

「麻酔の注射は痛かったけど、糸の挿入時は、引っかけたり、押されている感覚はあるものの無痛でした。施術後は、感染症予防と痛み止めの薬(3日分)を処方され、ビルの地下の薬局で購入。念のため、大きめの絆創膏もゲットしました。“プチ整形”だけあって、施術時間は短く、顔の腫れも少ない。針を刺した部分に絆創膏を貼られるだけで、赤みもなく違和感もなかったのですが、こめかみや頬の鈍痛はしばらく続きました」(小野寺さん)

ペタっとボリュームダウンした髪をよみがえらせる

「最近、抜け毛が多い」と悩む小野寺さんが訪ねたのは、脱毛治療専門の『イ・ムンウォン韓方クリニック』。同院は韓国の伝統医学・韓方を使い、脱毛症や頭皮疾患の治療を専門に行っている。また、韓方と植物を調合した薬剤を使ったヘッドスパも取り入れている。

「髪が極端に薄くなってから薄毛治療を始めるかたが多いですが、髪がある時点からケアを始めると、より効果を見込めます」(イ・ムンウォン代表院長)

 小野寺さんはひとつの毛根から髪が1本しか生えていない箇所が多々あり、全体的に毛量が減っている状態。頭皮の炎症や髪の乾燥も見受けられ、代表的なプログラム「スローエイジング」を提案された。これは生活習慣の乱れで傷んだ頭皮環境を再生し、健康な頭皮と髪を取り戻すことが可能。加齢による細毛やうねり・白髪なども改善し、つやも出るという。

芸能人御用達のスパで旅の疲れを癒す

 今回の取材は徒歩移動が多くクタクタに。そこで向かったのが、ドラマ『ミセン?未生?』に出演したイム・シワンなどの芸能人も通う『トリッツスパ』。有名人が多く来店するため、「完全プライベートな空間」(NIMEさん)で、他の客と顔を合わせないよう予約を調整しているそう。

 今回受けた施術は新婦用の下半身ケアだが、実は旅行者も選択できる。

「花嫁が式当日を美しく迎えるためのコースだからこそ深くリラックスでき、即効性のあるテクニックを駆使します」(オーナーのキム・ジョンヒさん・以下同)

 施術は韓国製のオーガニックオイルを使い、腰から下すべてを、ほぼハンドケアでほぐしていく。

「筋肉のおよそ3分の2は下半身に集中しています。特にお尻には大殿筋・中殿筋・小殿筋という3つの大きな筋肉があり、ここをしっかりケアすると疲労回復効果が高いです」

 約1時間でエネルギーチャージは完了した。

「少なくとも10才は若返ったと思います!」

「乾燥に悩んでいた肌は潤い、アートメイクを施した眉毛のおかげでメイクが格段にラクになりました」と、韓国を後にした小野寺さん。だが、帰国翌日から頭痛に悩まされたという。

「家に帰って髪を洗っているとき、側頭面に痛みを感じました。そこに手が触れたり、就寝時に枕が当たるとズキンズキンと波打つような痛みが生じ、横向きで眠れなくなってしまいました」(小野寺さん・以下同)

 当初はすぐに収まるだろうと楽観視していたが、弱まる気配がないまま1週間が経過。だんだん不安がこみ上げてきた。

「心配が治まらず、糸リフトを行ったクリニックにLINEで相談しました」

 すると1時間後に次のような返事がきた。

『糸リフトは、糸の凸凹が皮膚の内側の組織に引っかかることによって引き上げが可能になります。使用した糸は、顔の上側で留めていますので、肌組織を引き上げる部分や、留める部分に痛みが発生することがありますが、基本的に1〜2週間で治ります。痛みが続くようなら、市販の痛み止め(1日1錠まで)を服用してください』

 この返信で小野寺さんは気持ちが落ち着いた。

「よくある症状とわかり、ホッとしました。連絡をするとすぐに対応してくれたので、不安な気持ちを引きずらずにすみました」

 施術から3週間たったいま、痛みはない。そして、下の写真が現在の小野寺さんだ。フェイスラインが引き上がり、目の下のたるみや?のもたつきが軽減された。ほうれい線は薄くなり、肌つやもいい。

 今回、プチ整形と肌管理でかかった総額は49万3820円。要した時間はトータルで約9時間30分だった。日本を発つ前の小野寺さんの悩みは「額のしわに目の下と顔のたるみ、目尻のしわ、ほうれい線、首の横じわ」だったが、すべての施術を終えたいま思うことは……?

「メイクのノリはいいし、肌の感触や見た目は昔に戻ったみたい。少なくとも10才は若返った自分に自信が持てる日々です」

 そんな彼女に、また韓国で美容施術をやりたいかを尋ねると、「もちろん!」と即答。「第2弾はいつ!?」と目を輝かせていました。

取材・文/藤岡加奈子 撮影/大塚七恵

※女性セブン2024年5月9・16日号