広島市のJR瀬野駅と近くの住宅団地を結んでいたスカイレールが、四半世紀の歴史に幕を下ろしました。運行最終日となったきょう(30日)、多くの人が見送りました。

スカイレールは1998年に開業。みどり坂団地に住む人々に親しまれました。最終日も、いつも通り通勤や通学のために利用されていました。

RCC

地域住民たち
「自分は幼稚園のころから思い出がやっぱりあるので、すごい寂しいなという気持ちです」

「雨の日も風の日も止まらずにいてくれたので非常に助かっていました。この町のシンボルなので、ちょっと寂しい気持ちもありますけど、しょうがないかなという思いです」

「めっちゃ悲しい。悲しいです。最後だから学校に行く前に乗ってきました」

最後の雄姿を記録に残そうと、沿線には地元住民だけではなく、全国から鉄道ファンも訪れていました。

RCC

鉄道ファンたち
「坂道の多いところだがスリップもしないし、運転の音も静かであるということで、非常にこの街に適した乗り物だったと思っております」

「モノレールとロープウェイが合体したような方式自体がここにしかないものなので、これがなくなっちゃうっていうのは、技術がひとつ消えるっていうのに等しいので…」

地域住民に見守られ 四半世紀の歴史に幕 

1993年の試験走行の様子

スカイレールは、三菱重工業三原製作所などが開発した、日本で唯一のロープウェイ型の新交通システムです。全長1.3キロの短い区間ですが、勾配が厳しいみどり坂団地の暮らしを支えてきました。

30日正午過ぎ、多くの人たちが見守るなか、最後の便がみどり中央駅に到着しました。

スカイレールサービス 村松明彦 社長
「ただいまをもちまして、スカイレールの全ての運行を終了いたします。本当にみなさま、ありがとうございました」

RCC

みどり坂団地では、スカイレールに代わる移動手段として、先月30日から電気で走るEVバスが運行を開始しています。

地域住民
「バスが想像以上に住民の要望なのか便利になっていたので、非常に快適でございます。スーパーの近くに止まってくれて便利になったので、むしろ歓迎しています」

役目を終えたスカイレールの設備は、今後、数年をかけて撤去されるということです。