広島県内でSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害が急増していることを受け、県警は4月末までの詐欺被害の状況をまとめました。

県警によりますと、1月から4月までの間に、県内でSNSを通じて投資名目で金銭をだまし取る「SNS型投資詐欺」は111件発生し、被害総額は約13億8051万円に上っています。

「SNS型投資詐欺」は投資ブームを背景に、県内でも去年9月以降に急増。去年1年間での被害は、82件、約6億6000万円でしたが、今年は4月末時点でいずれも大幅に上回っています。

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SNS型投資詐欺では、広島市内に住む会社役員(40代)が、計1億2000万円をだまし取られる被害がありました。

警察によりますと今年1月、インスタグラムに表示された「投資に関する本のプレゼント企画」などと題する広告をタップすると、広告からメッセージアプリのグループトークに誘導されたといいます。

そこで、海外投資のアプリをインストールしたうえで、海外証券への投資目的で3月までの間に12回にわたり約1億2000万円を入金したということです。

利益が3億円を超えたという架空の表示を確認して、お金を引き出そうとしたところ、多額の手数料が取られることに違和感を感じ、弁護士に相談。詐欺の可能性があると言われ警察署に赴き、詐欺の被害が発覚しました。

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マッチングアプリなどで知り合い、恋愛感情を抱かせたうえで様々な名目で金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」も増加。1月から4月までの間に11件、約9736万円の被害がでています。

SNS型ロマンス詐欺の被害では今年3月、福山市に住む男性会社員(50代)が、マッチングアプリで知り合った女性とSNSを利用して交流していたところ、インターネットショップの経営話を持ちかけられたといいます。

その後、インターネットショップのカスタマーセンターを名乗る人物に指示を受け、商品代金を立て替える目的で、4月にかけて33回にわたって現金を振り込みましたが、このインターネットショップは架空のものでした。被害は約5190万に上りました。

被害者の年齢層は50代が約3割 送金方法はネットバンキングが最多

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広島県警がまとめた今年1月から4月末までの県内におけるSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害状況をみると、被害は毎月増えていき、被害者は50代が3割を占めます。以下、詳細です。

▼SNS型投資・ロマンス詐欺の被害件数と被害金額(広島県内2024年1〜4月)
被害件数は1月が21件、2月は28件、3月は37件、4月は36件と徐々に増えている傾向です。被害金額は1月の1億6892万円から毎月増え続け、4月には5億8470万円となっています。

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▼被害者の性別と職業
性別は男性が59%、女性が41%です。
職業別だと、会社員・派遣社員が36.9%、自営業が18.9%などとなっています。

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▼被害者の年齢層
年齢層は50代が29.5%と最も多く、60代が25.4%、40代が20.5%など続きます。
▼詐欺被害のきっかけとなったSNS
インスタグラムは23.8%、LINEが22.1%、Facebookが18.0%となっています。

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▼送金の方法、振込先の金融機関、振込先の口座種別
送金方法で一番多い手法は73.8%がネットバンキングでした。
振込先の金融機関で最も多かったのが都市銀行で38.8%。
振込先の口座種別は個人口座が49.1%で最多となっています。

詐欺被害の急増を受けて、広島県警はSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害に遭わないように、
▽必ず儲かる投資はあり得ない
▽インターネット上の投稿や広告を安易に信用しない
▽連絡先がSNSのみの投資は極めて危険
▽振込先が個人口座の場合は詐欺を疑う

などの注意を呼びかけています。