2024年4月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●4月
【自然災害】各地で最大震度5弱以上の強い地震相次ぐ
[被害]負傷者2人
2024年4月2日04:24頃、岩手県沿岸北部を震源とするM6.0の地震が発生し、青森県八戸市、三沢市、岩手県宮古市、久慈市など9市町村で震度5弱を観測したほか、北海道から関東甲信地方にかけての広い範囲で震度4〜1を観測した。岩手県沿岸北部では長周期地震動階級2を観測した。
この地震で、各地で天井が剥がれたりガラスが割れるなどの被害が発生し、青森県で2人が負傷した。また、青森県八戸市の是川地区では一時一帯でガスの供給が停止したほか、岩手県では花巻市で一時約200軒が停電した。
6日後の8日10:25頃には、大隅半島東方沖を震源とするM5.1の地震が発生し、宮崎県日南市で震度5弱を観測した。さらに9日後の17日には、豊後水道を震源とするM6.6の地震により、愛媛県愛南町、高知県宿毛市で震度6弱を観測しており、4月の上旬から中旬にかけて、各地で強い揺れを観測する地震が相次いだ。

【自然災害】愛媛県と高知県で震度6弱 震源は豊後水道
[被害]負傷者16人 一部損壊10軒
2024年4月17日23:14頃、豊後水道を震源とするM6.6の地震が発生し、愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱の強い揺れを観測した。また、愛媛県では宇和島市で震度5強の揺れを、愛媛県南予の5市町と大分県津久見市と佐伯市で震度5弱の揺れを観測した。
この地震により、転倒や転落で16人が負傷し、家屋の損傷や塀の倒壊なども発生した。また高知県梼原町では、道路の寸断により1集落5世帯10人が一時孤立したほか、愛媛県大洲市の宇和川地区では落石が発生し、国道197号が一時通行止めとなった。鉄道ではJR四国の予讃線の一部区間や予土線が翌日まで運転見合わせとなった。
震源となった豊後水道は、南海トラフ地震の想定震源域内だが、気象庁が南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準(M6.8)の未満だった。

【事故】伊豆諸島・鳥島沖で海自ヘリ2機が墜落
[被害]死者1人 行方不明7人
2024年4月20日22:38頃、伊豆諸島・鳥島の東約270kmの洋上で、海上自衛隊のヘリコプター2機が訓練中に相次いで消息を絶った。海上自衛隊の護衛艦をはじめ自衛隊や海上保安庁などの捜索の結果、現場海域で機体の一部とみられるものが見つかったことから、ヘリコプターは墜落したものと断定された。2機のヘリコプターには合わせて8人が搭乗しており、これまでに1人が救助されたが、その後死亡が確認された。残る7人は現在も行方不明となっている。
墜落したヘリコプターはいずれも哨戒機「SH-60K」で、当時は潜水艦を探知して対処する「対潜戦」の訓練が行われていた。この訓練では、潜水艦の位置をより正確に把握するため、特定の空域で複数のヘリコプターが連携して任務にあたるため接触の危険性が高いとされている。今回の事故でも、現場海域で回収された2機それぞれのフライトレコーダーの解析により、2機とも飛行状態や機体の異常を示すデータはなく、同時刻・同位置で通常と大きく異なる高度変化などが確認されたことから、防衛省は2機が空中で衝突し墜落したことが判明したとした。
この解析結果を受けて、防衛省では事故発生直後から中止していた同型機による訓練飛行について、機体同士の衝突のおそれがない単機について5月3日より再開すると発表した。